天皇陛下のお誕生日をお祝い申し上げます
平成23年12月23日(金)
本年、七十八歳となられた天皇陛下のお誕生日をお祝いし、
これからのご健勝を切に祈り申し上げます。
そして、
天皇は万世一系であられるが故に、
我が国の国体は一貫して不易であり、
戦前戦後は、何ら断絶無く連続している、
このことをありがたく感謝したい。
日本人に生まれてありがたい、と。
本年、我が国は、未曾有の巨大地震と巨大津波そして原子力発電所事故という国難に襲われている。
その国難のなかで、
最大の危機管理者としての天皇が、姿を顕された。
初代内閣安全保障室長の佐々淳行氏は、
「我が日本民族は、一世紀に一回ぐらいの割合で起こる国難に直面するたびに、救国の危機管理機構=天皇によって危機を乗り越えてきた」(「歴史通」11-May)と述べた。
本年、天皇は、この国難において、
この通りのご存在であられた。
即ち、救国の危機管理者である。
それ故、三月十六日に国民に対して発せられた
天皇陛下のお言葉は、
我が国の「統治者」
としてのお立場から発せられたものである。
そして、このお言葉を発せられた天皇のお立場の、
一番適切な法的表現は、次の如くである。
即ち、大日本帝国憲法第一条
「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」
本年顕かになった天皇のこのお立場と、
それに接する被災地の国民をはじめとする日本国民に、
我が国の、太古から戦前戦後を通じて一貫して連続している姿が現れている。
天皇皇后両陛下が、本年春から夏にかけて、
親しく廻られて激励された被災地の国民は、
苦しみと悲しみのなかで、秩序を保ち、助け合い、
黙々と「これからの日々を生きようとしている」雄々しさを示していた。
ここに、我が国は、
天皇を家長とする家族のような国に見える。
政治制度的には、「一君万民」というのであろうか。
とは言え、こういう欧州から輸入された後でできた言葉に、太古から連続する我が国の姿を当てはめる必要はない。
ともかく、本年、我々が観た通りの姿、
これが万世一系の天皇があらせられる我が国と国民の姿である。
神学的表現は「神ながら」である。
私の師は、「民族生命の原始無限流動」と表現した。
本日、今上陛下の誕生日を祝うということは、
太古からの万世一系百二十五代の天皇の御存在と
百二十五代の天皇を戴いてその御代に生きた我々の先祖即ち日本民族の存在を祝うということである。
教育勅語に、
「是の如きは独り朕が忠良の臣民たるのみならず又以て爾祖先の遺風を顕彰するに足らん」
とあるはこのことか。
この国難のなかで、まことに尊いことではないか。
謹んで、今上陛下のお誕生日を心からお祝いし、
ご健勝を、切に、祈り申し上げます。