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日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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西村眞悟の時事通信
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さらに言う対露外交不能だと、そして大道を明らかにする

平成23年2月14日(月)

 昨日の本通信に、外交不能と書いた。前原外務大臣がロシアでしていることは、外交ではない、と書いた。
 そして、昨夜、NHKの北方領土問題特集を観た。その中で、対露外交、特に北方領土返還交渉を担当した二人の外交官、丹波氏と東郷氏がインタビューを受けていた。
 丹波氏が、法と正義つまり四島一括返還要求を貫くべしとの持論を展開すれば(一括返還論)、
 東郷氏が、四島一括返還ではロシアは一切相手にしない、まず二島(歯舞・色丹)の返還を受けて次に国後・択捉返還に進むべきだと主張した(二島返還論)。
 彼らは各々、この持論を以て外交官として対露交渉に当たったのである。
 その担当の時期の順序は、まず丹波氏が先で、その不首尾を受けて東郷氏が登場したという形だ。
 従って、昨夜のNHKでも東郷氏が政治家とともに「現実論」を模索したというニュアンスになっていた。
 そして、特集は、ロシアがプーチン時代に国境を接する中国を含む八カ国と国境線確定の合意に達したこと、それによって中露の国境地帯のロシア側では中国の進出によってロシアが経済的に潤い中露蜜月時代が訪れ始めたような光景を映して終わった。その映像は、ロシアとの領土問題を解決できない日本だけが取り残されていくという印象を与えていた。
 しかしこの特集の終わり方は、国民に対して領土返還問題の本筋を曖昧にし、我が国の対露交渉方針に悪影響を及ぼしかねない。
 これでは、ロシアから、さすがNHK特集だ、ありがとう(オーチン ハラショー、スパシーバ)と誉められる内容である。

 そこで、このNHKの特集を前提にして、対露領土返還に関する主張として、丹波さんの一括返還論と東郷さんの二島返還論のどちらが「現実的」かを述べておかねばならない。その現実的か否かの基準は、もちろん、我が領土が返ってくるか返ってこないか、である。
 私の結論。
 ロシアに対しては、丹波さんの「法と正義に基づく断固とした一括返還論」が現実的である。東郷さんの「まず二島返還から」という方針が非現実的である。
 前者は、返ってくる。後者は、返ってこない。

 では何故、丹波路線で何の成果もなかったのか。
 それは、我が国政治が、領土が具体的に我が方へ動き出す前に、ロシアの欲するものをロシアに与えたからである。
 では何故、東郷路線が非現実的なのか。
 それは、相手がロシアだからである。
 ロシアは、相手が譲歩したと見るや、そこからさらに譲歩を迫ってくる。そして、そのさらなる譲歩要求に乗らなければ二島も返らないと思わせられ、さらに譲歩を重ね、結局気がつけば二島も返らない。これがロシアの交渉ドクトリンなのだ。
 従って、NHKは、昨日の特集で、プーチン大統領の初期の日ソ共同宣言を尊重する旨の発言を取り上げていたが、彼が後に、ころりとその反対を言い始めたことも明確に放映するべきであった。そうすれば、番組においても二島返還論の非現実性が明らかになったであろう。

 さて、NHK特集には、前原外務大臣も出演していて、何かしゃべっていた。しかし、丹波路線で行くのか東郷路線で行くのか、曖昧で分からない。唯一分かるのは、「ロシアと日本の経済協力関係を親密にして日露の友好を深めればよい」と言うことだけだ。
 この日本の外務大臣の訪問をロシア側から見ればどうなる。
「ロシアが欲するものを頼みもしないのに持ってきた鴨」だ。
 まことに、ロシアを知らず、過去の日露交渉から何も学んでいない。売名のためだけにロシアに行く日本にとって危険な外務大臣と言われるべきである。

 国家としてのロシアは、
「まず一方的にロシアの利益だけを主張する。それに誰も異議を申し立てないならば、ロシアの権益を拡張する。
 相手が抵抗し、国際社会もロシアに批判的になり、このままごり押しを続けると、結果としてロシアが損をすることが明らかになったときだけ、国際協調に転ずる」(佐藤 優、元外務相主任分析官)。
 この度、ロシアに行った前原君に対してロシアはどういう態度だったか。ロシア外相は、まさに「一方的にロシアの言い分を主張した」。それに対して、前原君は、北方領土の日露共同開発を申し出た。
 昨日も書いたが、一体これが外交なのか。
 スーパーマーケットの係長がロシア出店のお願いに行ったのか。

 さて、NHK特集では、中露国境付近で中露が経済的に潤い始めてロシア人大喜び、日本だけが乗り遅れている、かの如きイメージを映し出していた。
 しかし、言っておく。歴史的に、中国とロシアが仲良く共存などできない。
 ロシア語では、中国人のことをキターイと言う。
 言わずと知れた隙あらば東から西に侵入してきた遊牧民、契丹のことである。
 ロシア人は、キターイが一番嫌いだ。
 
 昨年秋、ウラジオストックから日本に留学して日本政治史を勉強している女子学生が、日本のことを教えてほしいと訪ねて来た。
 ウラジオストックのロシア海軍将校の娘だった。モスクワに行ったことがないという。モスクワどころかバイカル湖にも行ったことがないという。彼女にとって、極東のロシアが故郷なのだ。彼女の故郷のことを尋ねてから彼女に言った。
「気をつけろよ、既に東のロシアには中国人があふれかえってきている。このままでは、彼らはイナゴのようにさらに押し寄せてくる。そのうち、東のロシアは中国人だらけになるぞ」
 その時、彼女の顔は引きつったようになった。
 すると、日本と仲良くすべきだと再度思ったのか、彼女は、ロシアと日本がもっと友好を深めるにはどうすればいいのかと質問してきた。そこで言った。
「まず、第一に、ロシアが我が国の北方領土を返すこと。
次に第二、ロシアが日本の領土を返すこと。第三は、ロシアが日本の領土を返すこと。これが全てだ。
 ロシアがこれをすれば、その日から日露は友達になる。」
 また彼女に言った。
「日本人は外国の文学の中で、ロシア文学を一番多く読んできた。ロシアの権力ではなく、ロシアの民衆と日本は敵対したことはない。トルストイの戦争と平和に出てくるプラトン・カタラーエフという素朴な農夫をロシア人も愛するし日本人も愛する」
 そして、彼女を近くの泉大津にあるロシア兵墓地に案内した。そこには、日露戦争の時、旅順要塞で日本軍と戦い捕虜となって日本の堺・高石に作られたロシア兵捕虜収容所で亡くなった七〇数名のロシア兵の墓がある。その墓地は、百年を経ているのに、今も付近の人々によって、毎日きれいに清掃されて花も添えられている。その墓地に手を合わせて彼女に言った。
「これが日本人だ」と。

 さて、「対ロシアの権力」という本論に戻って結びを述べたい。
 ロシアに対しては、先に紹介した元外務相主任分析官佐藤 優氏の見解を前提にして、徹底的にこちらの主張を貫き断じて譲らない。そして、国際社会でのあらゆる機会を逃すことなく、ロシアの我が領土の不法占領を非難し続ける。もちろん、返還がなるまでロシアに何も渡さない。
 つまり、我が国は領土における「法と正義」を貫くのだ。
 もちろん、北で「法と正義」を貫き、南の尖閣でも「法と正義」を貫き、竹島でも貫く、その為の政治を構築し直す。
 これが我が日本の再興への大道だ。

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