大阪堺市出身!国家の安全保障や国益優先の信念を貫く行動派!

日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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西村眞悟の時事通信
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ニューヨークの鳩山さん

平成21年9月24日(木)

 象徴的に「鉄」を例に挙げると、鉄一トンを生産するのに、二酸化炭素は容積ではなく重さでどのくらい排出されるか。
 それは、二トンから三トンと教えられている。まさに膨大な量である。
 しかしこの鉄は、現在文明の基本的資材である。鉄がない経済はあり得ない。つまり、二酸化炭素の排出量削減は、鉄生産の削減すなわち「経済の削減」につながる。

 従って、世界各国の代表は、温室ガス排出削減問題に関して、それによって自国の経済が「削減」されてはならないと国益を賭けて国連に集まっている。すなわち、集まっている各国には自国だけが石器時代に戻らされてたまるか、と思っている途上国も多いことだろう。
 その前で、日本の総理が「25パーセントの削減」を表明したのであるから、皆、おーと拍手する。さらに総理は、各国に対して「技術的、資金的な支援を行う用意がある」と言ったものだから、拍手は喝采となった。
 この拍手喝采を我が国の外交への喝采と思ってはならない。
温室ガス排出削減に関しては、日本の不利益は自国の利益であるから各国代表は躊躇なく拍手したのである。さらにただで技術と金がもらえるなら喝采する。

 ガスの25パーセント削減で、企業は確実にコストアップに苦しめられる。存亡の危機にたたされる企業も少なくはなく、海外に脱出を余儀なくされる企業も続出することになる。
 これを承知でさらに各国に技術的資金的援助を実施するということは、この苦しいなかで勤勉な国民が作り出した国民の汗の結晶のような金を惜しげなく各国に差し上げるということである。
 この度鳩山氏が約束した排出ガス25パーセントの削減と技術と金の援助は、確実に国民に重大な負担を強いることなのである。
 世界の代表は、この削減問題には各々の国益がかかっていると判断して集まっていた。その前で、自国の「国益」に全く関心がないかのように無邪気に25パーセント削減と援助を表明する日本の総理を見た。
 各国代表は「異星人」を見る思いだったのではないか。

 私は、昨日のニューヨークの拍手を見ていて、かつてのワシントン軍縮会議を連想した。
 この会議は、第一次世界大戦が終わってからのアジア太平洋方面の枠組みを決める軍縮会議で、日英同盟の廃棄と共に日本とアメリカやイギリスの保有する主力艦の比率を三対五に固定したものである。
 あの時も、日本代表は拍手された。その理由は、アメリカ高官の次のコメントが端的に示している。
「日本は、類い希な条約に同意した。驚くべきことだ。何故なら、日本は敵が圧倒的な海軍を建設するまでは何もしないという約束に同意したからだ」
 この度の鳩山氏は、喜々として、地球を愛する「友愛」の使徒のように、自国の産業と国民の汗など全く知らない様子で、25パーセントの削減を約束した。
 私のなかで、この度の拍手と八十余年前の拍手が重なった。
拍手された本人が得意になっている様子を見て、いささか不吉な思いがする。鳩山氏は、国益を犠牲にしたのだから、いささか苦渋の選択の後だという雰囲気をもっていてしかるべきである。

 数日後の十月一日、私の原稿(九月十四日起案)が掲載される雑誌「正論」が発売されるが、この度のニューヨークの様子を見て、そこに書いたことにはいささかの変更も必要ないと確認できた。その中で私は、
 現在の情勢で「友愛」が語られるとき、「政治的未熟児がもたらす国家の危機」を思い、「東アジア共同体」が語られるとき日本の滅亡を強く憂慮する、と書いた。

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