大阪堺市出身!国家の安全保障や国益優先の信念を貫く行動派!

日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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西村眞悟の時事通信
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この惨状を国家再興の起点に

平成21年8月14日(金)

 驚くべき国政選挙である。政治的未熟児の「真夏の夜の夢」に国民が付き合わされている。このマニフェスト選挙とは、税金による買収競争である。従って、国家と国民は戦後体制からの脱却を希求しているのに、戦後体制に安住する政治が与野党協力してそれを阻んでいる。
 ケネディーのアメリカ大統領就任式における演説を思い出す。
「アメリカ国民よ、国が君に何をしてくれるのかを問うな。君が国のために何ができるかを問え」
戦後体制とこの度のマニフェスト選挙とは、国民を「国に何をしてくれるのかを問う」だけの存在として位置づけるものである。戦後体制は、日本国民が「国のために何ができるか」を問い始めることを許さない。それが始まれば、戦後体制が崩れ、与野党の政治的未熟児の安楽な生活がもたないからである。なお、此処にいう政治的未熟児とは、マックス・ウェーバーのいう「善からは善が、悪からは悪のみが生まれると考える者は、政治のイロハも分からない政治的未熟児である」(「職業としての政治」より)の意味である。「善」を「友愛」と置き換えてもよい。
 さて、この度の国政選挙が置かれた特異な情況とは何か。
 それは、直前の四月と五月に北朝鮮がミサイルを飛ばし、核実験を実施したことである。また、この選挙は十三歳の少女であった横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されたことが判明してから四度目の衆議院選挙になる。
 さらに、中国の核ミサイルと海空軍を主体とする軍事的膨張は誰の目にも明らかになり、中国海軍はしきりに我が国周辺海域を遊弋し、西太平洋の沖の鳥島周辺で軍事演習をしている。これは、百十余年前の日清戦争前夜、清国が世界一の軍艦であった定遠と鎮遠を我が国に回航して示威運動をしたことを連想させる。そして、朝鮮半島の情勢は北朝鮮の独裁体制が独裁者の健康状態悪化とともに何時無秩序化して動乱に陥るか、同様に台湾海峡を何時中国が扼するのか。
 言うまでもなく、中国と北朝鮮の核は、我が国に落とすために造られている。
 このように、我が国を取り巻く情勢に目を転じれば、その厳しさは肌に寒気が走るほどである。この状況下で、我が国内では国家が置かれたこの状況に一切関わりなくご覧の通りの「マニフェスト選挙」をやっている。まさに、驚くべき国政選挙ではないか。
 同時に、未熟児の党は、「東アジア共同体」を公約している。これは具体的には、人口の六パーセントが豊かになり残りの十二億余の人民が暗黒大陸に閉じこめられた共産党独裁国家の中国と天皇陛下を戴く我が国が「共同体」になるということである。そして、この者は友愛の精神に満ちあふれて「日本は日本人だけのものではない」と言っている。思わず、こいつ頭がおかしいのかと思ってしまう。そして、これを中国はどう解釈するか。言うまでもなく、日本は中国のもの中華の支配下に入ると受け取る。従って、この驚くべき選挙から聞こえてくるものは、中国の高笑いである。

 さて、この度の国政選挙の歴史的意義は、「戦後体制最後の選挙」となりうるということである。つまり、戦後体制の馬鹿らしさの窮まった選挙であるから、選挙後、国民は真夏の夜の夢から覚めて耐え難い惨状に直面する。
 かつて社会党の委員長が総理大臣になってから直面した阪神淡路大地震における不作為の虐殺といってよい無策や戦後五十年謝罪決議、また、国を辱める村山富市談話を遙かに超える耐え難い惨状だ(外国の一紙は「政府の無策による大虐殺」との見出しで神戸の大地震を報道した)。つまり、この意味で戦後体制は終わり「属国体制」が目に見える形で始まる。
 そこで、この惨状を国家再興のバネとしうるか否かが我が国の運命を決することになる。この惨状の中で、今からでも遅くはないと立ち上がる国民が「国のために何ができるか」と問い実践し始める時、真の独立自尊の国家日本が再興できる。
 そして、このプロセスは、第一次世界大戦後のイギリスとフランスの辿った破綻と再興への道と似てくることに気付くのである。
 言うまでもなく、第一次世界大戦後のイギリスとフランスは、平和を謳歌し、ヒットラーが権力を握った後のドイツの本質を観ようとはしなかった。そして、謳歌している平和を維持するには、軍備増強を続ける独裁者と妥協することが必要と思い込んで妥協を繰り返した。つまり友愛の精神を以て接すれば相手も友愛を以て応じてくれると思っていた。しかし、事態は反対の結果を生み出し遂に第二次世界大戦勃発に至る。そして、この戦禍の中でイギリスとフランスは塗炭の苦しみを受ける。
 この課程を振り返ってチャーチルは、第二次世界大戦を「無益な戦争」と呼び、「前大戦の戦禍を免れて、世界に残されていたものを破壊尽くしたこんどの戦争ほど、防止することが容易だった戦争はかつてなかったのだ」と書いた(同人著「第二次大戦」、以下引用)。つまり、ドイツの軍拡を正しく認識してそれに対抗し、独裁者には妥協してはならなかったのだ。ただそれだけで、第二次世界大戦の惨禍を防ぎ得たとチャーチルは判断している。
「過去を振り返って見るとき、私はわれわれに与えられた時間の長さに驚く。一九三三年なら、あるいは一九三四年でさえも、まだイギリスにとってはヒットラーの野心に必要な抑制を加えるだけの空軍、あるいは恐らくドイツ軍部の指導者たちに、ヒットラーの暴力行為を制止させるだけの空軍を作ることが可能であったろう。しかしわれわれが最大の試練に直面するまでには、さらにまる五年の歳月を経なければならなかった」
 では、このチャーチルは、イギリスが「最大の試練」に直面するまで何をしていたのか。
 彼は懸命に軍備を増強するヒットラーの危険性を警告しイギリス空軍の強化を訴えていた。しかし彼は「戦争屋」と言われてイギリス政界から疎んじられた。
「労働党と自由党の両党は相変わらず平和の名において、イギリスの軍縮を進め、これに反対する者は全て『戦争屋』、『人騒がせ』と呼んだ。彼らの気持ちは、もちろん何が起こりつつあるかを理解しない人々には、賛成されているようだった。」
「私は絶望の気持ちだった。祖国の生死の問題で完全な確信を持ち、また立証したにもかかわらず、議会と国民にこの警告に注意を向けさせることができず、またこの証拠によって行動を起こさせることもできなかったことは、最も苦痛な経験であった。」
 また、フランスにおけるド・ゴールも同じ戦いをしていた。彼もフランス陸軍から「戦争屋」、「危険人物」と呼ばれて窓際に追いやられていた。ド・ゴール大佐は、フランスが誇るマジノラインが機械化部隊の前には無力であるから数個師団の機械化部隊の創設を提言していたからである。そして顧みされなかったド・ゴールの予測通り、ドイツの機械化部隊はマジノラインを簡単に突破してパリに雪崩れ込み、フランスはヒットラーの前に屈服した。

 このイギリスとフランスの「最大の試練」に直面する直前の情況は、現在の真夏の日本と同じである。「何が起こりつつあるかを理解しない人々」が国政を牛耳り「マニフェスト選挙」という平和の祭典を謳歌している。そして、中国共産党の軍隊と北朝鮮の独裁者を抑止する方策を何ら考えてはいない。
 しかし、我々は絶望することなく、このイギリスとフランスの事例から国家再興の切っ掛け、起点を摘出しなければならない。それは、チャーチルやド・ゴールの存在である。彼らは不遇であった。しかし、「何が起こりつつあるかを理解しない人々」の大勢のなかで、孤軍奮闘、警告を発し続けていた。彼らがいなければ、「最大の試練」に直面したとき、彼らの祖国はその試練を克服できなかったであろう。パリに続いてロンドンもヒットラーの軍門に下ったはずだ。
 よって、今現在において、我々の祖国である日本の再興の為に戦う日本人がいなければならない。それは、読者諸兄姉であり、私だ。
 今現在、「何が起こりつつあるかを理解しない人々」は、「生活第一」と囃し立てている。しかし、違う。「国防第一」である。この旗を掲げて、チャーチルやド・ゴールのように孤軍奮闘しなければならない。そして、この孤軍奮闘が我が祖国の国家としての存在感と抑止力を確実に維持する。私は、チャーチルを常に念頭において奮闘していると自負している。
 北朝鮮に拉致された日本国民の救出が国政最大の課題である。北朝鮮と中国の核とミサイルから如何にして我が国を守るのかが国政最大の課題である。従って、如何にして強い国民の軍隊を創設し、核抑止力を如何にして獲得するのか。この課題に直面する勇気と覚悟無くして、「生活第一」もへっちゃくれもない。拉致された被害者が身を以て実証しているように、国防が無ければ国民の生活は蹂躙される。国民の生活を成り立たせる国防を考えない政治家は、暑さにぼけて夢でも見ているのか。それどころか、祖国への裏切りに匹敵する無責任な俗物である。
 
 今こそ、戦後体制において、国民から意識しないように遠ざけられていた「国民の義務」に目を向けよう。それは「国防の義務」である。祖国を守ることは国民の神聖な義務である。
 スイス連邦政府は、「民間防衛」という読本を約七六〇万の全国民に配布している。何故か。全スイス国民は「国を守る義務」を有するからである。その「まえがき」に曰く。
「国土の防衛は、我がスイスに昔から伝わる伝統であり、我が連邦の存在そのものに関わるものです。そのため、武器を取りうる全ての国民によって組織され、近代戦用に装備された強力な軍のみが、侵略者の意図をくじき得るのであり、」
 スイスの軍隊は「武器を取りうる全ての国民」によって構成されている。戦後の日本にこの発想はない。
 次に「まえがき」は言う。「我々は、いま、脅威に直面しているわけではありません。・・・しかしながら、国民に対して、責任を持つ政府当局の義務は、最悪の事態を予測し、準備することです。」さらに、「戦争は武器だけで行われるものではなくなった」と述べた上で、「陰険で周到な宣伝は、国民の抵抗意思をくじく」と警告を発し、「我々は、生き抜くことを望むのかどうか。国土の防衛はもはや軍だけに頼るわけにはいきません。我々全てが、新しい任務につくことが要求されています。今からすぐにその準備をせねばなりうません。」と国民に呼びかけている。
 脅威がないと自ら述べるスイスが、「最悪の事態を予測し準備する」のが政府の義務として「国民皆兵」を全国民に呼びかけ、内外の脅威に迫られ、核爆弾を世界中で一番落とされやすい国となった日本では、選挙で議論すらなく何の抑止力を持とうとしない。やはり、今、我が国は異常な状況下にあると言わざるを得ない。しかも、この事態は、スイス政府が国民に警告しているように、特定の外国の、外からと内からのルートを使った「陰険で周到な宣伝」による日本国民の精神に対する武器によらない攻撃から生まれ、この「宣伝」に荷担する国内の政党によって担われている。
 しかし、私は与えられた郷里の選挙区で、絶望することのなかったチャーチルやド・ゴールを思い、誇りある日本再興の為に、国家防衛と国民救出を掲げて奮闘する。
 八月十五日には、早朝、靖国神社に参る。願わくば、麻生内閣総理大臣。正々堂々、靖国に参拝されんことを。八月十三日朝記す。

                           (了)

上記論文は「月刊日本」9月号に掲載予定の論文です。本人の強い意向と「月刊日本」出版元のK&Kプレスの計らいにより、ホームページにアップしました。
                     西村真悟事務所

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