大阪堺市出身!国家の安全保障や国益優先の信念を貫く行動派!

日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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西村眞悟の時事通信
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核についての新たな展開・・・総理に決断と意欲あり

平成21年7月10日(金)

 この夏の衆議院総選挙において特筆すべきことは、五月の北朝鮮による核実験を目の当たりに見た上で行われるということである。
 にもかかわらず、各党首脳は、まるでこの核実験が無かったかのように選挙が来て過ぎていけばいいとでも思っているのだろうか。我が国家の国政選挙とは、かくの如く「軽佻浮薄な行事」なのか。
 
 国家と国民に対して国防に責任を有しているのは国政つまり中央である。地方ではない。
 しかし、このもっとも深刻な国防上の課題を突きつけられたこの度の総選挙を間近にして、各党首脳は地方の知事や市長の地方分権に関する言動に右往左往している。しかもこの時期に、あのタレント知事を担ぎ出せば選挙で有利になると思うのは、我が国の民度をみくびった国民蔑視だと思うがいかがであろうか。
 既成政党首脳は、目をつぶれば、北朝鮮の核は無いとでも思い込んでいるようだ。これは無責任を通り越している。これでは、地方の知事を国政に呼ぶ資格はない。逆だ。
 そんなに「地方分権」がいいのなら、所属する全議員に呼びかけて一緒に国会議員から地方議員に転身するべきだ。
 
 今朝の新聞に、イタリアでのサミットにおいて、「麻生首相、外交でも苦戦」と伝えられている。しかし、この「苦戦」は総理の責任ではない。我が国内の与野党の状況は、首脳を「先進国首脳会議」サミットに送り出すレベルに達していないと思わざるを得ない、つまり、「先進国」のレベルではない。
 しかし、このような程度に低い背景を背負ってはいても、この度のサミットにおいて、北朝鮮の核実験を強く非難し拉致への取り組みを促す首脳宣言が為されたことは高く評価しなければならない。

 次に、この程度の政局から離れて、核に関して新しい動きが始まりそうなので記しておきたい。こちらの方が、国家と国民にとって重要だ。
 まず、外務省元外務事務次官であった村田良平氏が昨年出版した「村田良平回顧録」に続いて記者の取材に対しても、一九六〇年の日米安全保障条約改定時に、日米に核兵器を搭載した艦船の寄港や領域通過を認める約束があったと認めた(六月二十九日)。
 この日米の「密約」は、既にアメリカの文書は公開され、ライシャワー元駐日大使も認めていることだ。この度、日本側の責任者も認めたことで確定した。そもそも、「非核三原則」など無かったということだ。
 河村官房長官は、旧例に習って「密約」を否定したようだが、もうこれを信用する者は誰もいない。官房長官だけ交代してもらって、「調べたらありました」と新しい官房長官に言ってもらえば済むことだ。もちろん、同じ官房長官がケロリとして、「あのー、調べなおしたらありました」と発言してもよい。
 国を思う政治家なら、岡崎久彦氏が指摘するように、「村田発言の誠意を無にするな」(七月七日、産経新聞)。

 さらに、日米両政府は、七月七日、アメリカの「核の傘」を巡る両国の協議の場を初めて正式に設け、月内にも初会合を開く方向で検討を始めたと発表した。
 しかも、この発表がサミットの最中に為された。これはかなりインパクトがある。イタリアにおけるG8首脳は、「おおーっ」と麻生総理を注目したのではないか。今回のサミットにおける一番のインパクトである。もし、中国の主席がウイグルの抗議行動で帰国しなければ、彼はイタリアで絶句していたであろう。
 
 「核の傘」とはアメリカの核による第三国からの核攻撃を抑止する仕組みだ。アメリカは、西欧NATO諸国とは有事の際の核抑止手段の運用手順を取り決め情報交換をしている。
 この度、日米間においても「核の傘」を巡る協議を始めるということは、NATOと同様に、日本におけるアメリカの核抑止力の信頼性を高め確実なものにする協議を始めることを意味する。そして、これは我が国も西欧NATO諸国と同じように、アメリカとの核兵器シェアリング協定(Nuclear Sharing Arrangement)締結の方向に動くということである。
 この核兵器シェアリング協定は、アメリカが同盟国に配備した核兵器について、平時は米軍が管理し、有事には同盟国が使用できるという方策である。現在、ドイツ、オランダ、ベルギー、イタリア、トルコが締結している。
 アメリカのオバマ大統領は、核の大幅な廃絶を主張しているが、他方アメリカは核のもつ「抑止力」を維持しなければならない。何故なら「アメリカの核の拡大抑止力が信頼性を失ったりすれば、情況は一変する。その場合、日本は核武装するかもしれない」からである(ジョゼフ・ナイ元国防次官補、七月十日読売新聞)。

 タレント知事に振り回されて、選挙に有利か不利かだけしか頭にない国内においては気付く議員は無いかもしれないが、この度のサミットにおいて、麻生総理は画期的な存在感を参加各国首脳と中国と北朝鮮に与えている。
 よって、これを受けて、アメリカとの核シェアリング協定締結にふさわしい国内の政治体制を如何に築くかということが、この度の国政選挙の大きな課題となった。

 現在発売中の雑誌「正論」八月号において、私は「軍事的バランスの回復、核バランスの回復こそ国家の安泰を確保する現実論である」とし、続けて「では、如何にして核抑止力を手に入れるか。自ら核を造るのか買うのかレンタルするのか。その工夫は決断と意欲があれば湧いてくる」と書いた(「不作為に堕っした国防における『現実主義』」より)。
 いま、日米の「核の傘」を巡る協議開始の報に接し、その協議の開始を高く評価して、麻生総理の決断と意欲に強く期待するものである。

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