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日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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西村眞悟の時事通信
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正論8月号と読売TV

平成21年7月6日(月)

 七月に入り、雑誌「正論」八月号に、「不作為に堕っした国防における『現実主義』」という題の論文を掲載していただいた。そして、昨日五日には読売TVの「そこまで言って委員会」という番組に出演させていただいた。
 その上で、改めてここに二つの事柄について述べておきたい。
 一つは、核の議論における現実主義に関すること。もう一つは、臓器移植問題である。

 核については、「正論」八月号で述べたとおりの議論がTVで行われた。
 すなわち、曰く、我が国の核保有を言う前に、日本がNPTを脱退すれば、核燃料サイクルが停止され電力の二〇パーセントを占める原子力発電が停止する、電力をどうするのか、そもそも我が国の防衛のためには何発の核が必要なのか、それを何処に置いておくのか、何も説明がない、という立て板に水の如き専門家の発言があった。そして、我が国の核保有は不可能つまり非現実的だということを印象付けたのである。
 私は、正論で「何も為さない理由としての現実をうんざりするほど得々と物知り顔に語る。これが戦後体制の顔であり・・・」と書いた。その通りの発言だった。
 もっともこの論者は、私は核保有に反対ではないがという前置きでこの発言をしていたのであるが、この前置きは単に自分は核のタブーに囚われない「現実主義者」であると自称しているにすぎない。

 この専門家の発言は、私の、「我が国は北朝鮮や中国の核を抑止するために核を保有するべきである」という発言を受けて為されたものである(この発言は放映ではカットされていた)。
 そこで、この我が国の核保有に関する議論のなかにおける私の発言と専門家の発言の為されるべき場所を位置づけておきたい。
 まず第一にあるべきは、国家の独立と安泰のために核を保有することが必要か否かの政治的決断である。
 この第一の段階において、核を保有すべしという結論になれば、次に議論は、この専門家の発言のような専門的技術的課題に関する段階に入る。
 ことは、我が国の存続に関することであるから、この技術的な段階に早々と逃げ込んで、核保有が無理だとか非現実的だとかの「現実」を並べ立てて、その前にある肝心の第一の段階での決断をうやむやにして回避することは許されない。
 しかしながら、我が国はいつもこの第一の段階での決断を回避してきた。その理由として、かつては「核のタブー」つまり「唯一の核被爆国」、「核アレルギー」が挙げられたが、今ではTVにでた専門家のように「現実主義」が決断回避の理由とされるようになってきた。
 しかし核保有は、我が国の独立自尊と安泰に関する課題であるから、第一の決断を回避してはならない。そして、そこで核が我が国に必要だと判断すれば、それが可能となるように断固として現実を変えていく努力を開始するのが政治家の使命である。
 
 百七年前の一九〇二年、帝国海軍の連合艦隊の旗艦となる戦艦三笠がイギリスから我が国に回航されてきた。しかし、我が国には三笠を購入する金がなかった。
 そこで海軍大臣の西郷從道と海軍省の山本権兵衛はどうしたか。まず、三笠は我が国家にとって必要だと決めた。それから、如何にして購入資金を調達するかを工夫した。工夫といっても公金を横領して三笠購入資金にしたらしい。ともあれ、この決断と工夫によって日本は日露戦争に勝利できたのである。
 核もこの戦艦三笠と同様である。もっとも、三笠は購入することになったが、我が国の核保有には、自ら造るか、アメリカの核を購入するか、それとも借りるか、という三つの方法がある。

 従って、北朝鮮の核実験を目の当たりにしたこの度の衆議院総選挙においては、各政治家・候補者は核が我が国に必要と思うか否か述べねばならないと思う。
 北朝鮮が二度目の核実験をした直後の国政選挙において核に関する見解を公表できない政治家は、政治家としての資格はない。歌を忘れたカナリヤは裏山に棄てれば済むが、使命の自覚無き政治家は議員になっても何もしない、つまり不作為を続けるので、危機においては国家に惨害をもたらす。阪神淡路大震災時の内閣総理大臣の例を想起されよ。

 次に、TVでも議論になった臓器移植問題に移る。
 私は、子供からの臓器移植を可能にするいわゆるA案に賛成した。その理由は採決の前に本時事通信に述べた通りである。
 しかし、採決の前後に賛否両論の批判をいただいた。「A案に賛成してください子供達が救われます」、という訴えもいただいた。また、採決を終え議員会館に戻る路上で知らない婦人から「人殺し」という驚くべき批判を浴びせられた。
 臓器の移植を受れば助かるというぎりぎりのところで生活している方々がおられるなかでも、まだまだ臓器移植は難題である。 
 ある知人は、私の長男の葬儀の後に弔問にこられて、実は自分も子供を亡くした、心臓を移植すれば助かると医師に言われたが、お金が無かったので移植してやれなかったと涙ぐまれた。
 まことに臓器移植は切実な問題である。そして難題である。

 そこで、私を「人殺し」と非難した婦人も含め、「脳死を人の死とする」ということに関して、誤解があるのではないかと思うので、この点に関してだけ次に書いておきたい。
 この「人の死とする」という意味であるが、これは「臓器移植」という極めて限定された場面に限り、この場面で臓器を摘出することは「殺人」にはならないということである。およそ、脳死となれば「あらゆる意味で死」ということではない。
 したがって、移植と関係のない場面で本人の体にメスであれ短刀であれ刃物を入れれば、その人がたとえ脳死であっても立派な殺人である。現実にあった事例を上げれば、暴力団組員が病院に侵入し、ベットで寝ていた患者を拳銃で撃った場合、この患者がたとえ脳死状態であっても、この行為は殺人罪に該当する。
 また、十五歳以下の子供の場合、その両親が同意しない移植は絶対にあり得ない。
 もっとも、たとえ臓器移植の場面であっても、およそ脳死の人から心臓を摘出することは「人殺し」だ、脳死は死ではない、生きている、との考えをとるならば、大人からの臓器移植を定めた現行の臓器移植法も殺人を規定した法となるので廃止することになる。
 この度の改正案は、成人からの臓器移植を定めた現行法を前提にして、今まで我が国国内ではできなかった子供からの臓器移植を可能にしようとするものである。

 現実の必要性を反映すべき法の世界では、人の死に関して場面場面、つまり臓器移植の場面と他の場面とで異なった扱いをすることは是認できると思う。
 生まれるという、人が何時から人になるのかに関しても、一部露出説、全部露出説そして独立呼吸説がある。刑事の分野においては一部露出説が人になるつまり生まれた時である。それに対して、民事の領域では全部露出説が通例である。
 刑事分野では母体から一部でも露出すれば、独立した攻撃が可能となるので、ここで人か胎児かの区別をして殺人罪と堕胎罪の一線を画する必要がある。民事分野ではこのような必要性がないので母体から全部露出したときが人になった時であるとする。
 従って、臓器移植分野においては、脳死という死が認められるとしても是認されるのではないか。

 ともあれ臓器移植は難題である。何人かのドクターに質しても意見が分かれる問題だ。
 あるドクターに言わせれば、内科や、整形外科などのドクターは臓器移植に消極的であり、心臓外科や麻酔科は脳死判定に積極的であるという。
 とは言え、この度の改正で、A案かD案が国会を通過すれば、我が国の両親はアメリカの両親と同じように、十五歳以下の我が子の臓器を摘出するかどうかの判断を迫られる場面に遭遇することになる。
 つまり、我が子の心臓で生きてゆける子が何処かにおり、死に行く我が子が眼前にいる。その時、どうするのか。
 私は、TVの録画のときに、「案じることはない、その時、必ず神が語りかけてくれる」、「私はそれを経験した」と言った。
但し、この発言は放送されていない。それでいいと思う。

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