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日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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核兵器廃絶について

平成21年6月22日(月)

 数日前、衆議院で「核兵器廃絶決議」が為された。
 社民・共産はもちろん、自民も民主も仲よく異議なしなので、衆議院本会議において「全会一致」でこの決議が為されたと報道されている。
 しかし、私は、廃絶決議反対のために欠席しているので、全会一致ではないということをご報告しておきたい。その理由は以下の通り。

 前提として、我が国の周辺情況を概観しておきたい。
 我が国は、北からロシア・北朝鮮・中国という核保有国に囲まれている。
 ロシアは、ソビエト解体後に核戦力は低下したが、プーチン政権になり対米核戦力均衡の維持と核戦力近代化を推進し、アメリカのミサイル防衛網(MD)を突破できる戦略核戦力の開発に努力している。
 中国は、核保有国の中で唯一、核戦力を一貫して増強中である。特に、日本、インド、台湾を標的にした中距離・短距離核戦力の増強は著しい。
 そして、アメリカのミサイル防衛システム(MD)を無力化するための偵察衛星破壊技術獲得に努力しつつ、且つアメリカに届く核戦力を保持し、さらに開発を進めている。
 北朝鮮は、ご存じの通り、事実上核を保有した。
日本を狙うノドンミサイルは既に200基以上実戦配備済みで、そのうち数基の先っぽには核弾頭が搭載されていると思われる。
 これに対するオバマ政権のアメリカは、核弾頭数を八割減らして千発以下にする方針を発表し、最終的に核廃絶を目指すといっている。
 これは何を意味しているのかというと、アメリカの「核の傘」が無くなり、日本は丸裸で直接的な核恫喝の対象となるということである。
 そもそも現状においても、アメリカの核の傘は機能するのかしないのか疑わしいのに、アメリカが保有する核弾頭数を千発以下にすれば、「核の傘」は機能しないと看ておかねばならない。
 オバマのいうチェンジとはこのことである。一体、どういう大統領なのか。
 以上を総合すれば、ロシアと中国そして北朝鮮は核戦力増強を推進しているので、我が国を取り巻く核戦力のバランスは、年々一貫して我が国に不利になっており、我が国への核の直接的な脅威は年々増大している。

 では、核の脅威に対して如何なる対策があるか。
 まず、核を廃絶すること。そうすれば当然、核の脅威は無くなる。これ、当たり前だ。
 しかし、願望は分かるが、核廃絶が実現不能ならばどうする。存在する核を抑止することに取り組まねばならない。つまり、核の存在を受け入れ、核と共存する道を探ることになる。
 
 そこでこの度の「核廃絶決議」であるが、これは核保有国が核廃絶に同意する国ならば有効である。しかし、具体的なロシア、中国そして北朝鮮、これらは核廃絶に同意する国なのか。
 特に、自国民が大量に餓死しても核開発を続けて来て、念願の核保有国になり今も核戦力増強を続けている中国、さらに、その中国を見習って三百万人が餓死しても核開発を続けてきた北朝鮮、この国々は、核廃絶に同意するのか。
 同意しなければ「核廃絶決議」に実効性はない。
 私は中国、北朝鮮、ロシアは核廃絶に同意しないと判断している。従って、核の存在を前提にした核抑止論に従うことが我が国の安全を確保する方策だと考えるので、同廃絶決議に反対した次第である。

 このことは、警察とマフィアの関係に喩えれば分かりやすい。
警察もマフィアもピストルを持っている。ピストルの危険性を無くすには、ピストルを廃絶すればよい。
 その為に、「ピストル廃絶」を呼びかけて、まず警察官がピストルを放棄したらどうなる。マフィアもピストルを棄てて「めでたし、めでたし」となるだろうか。
 そうはならず、市民生活は、唯一ピストルを持つマフィアの実効支配下に置かれるのではないか。

 ところで、そもそも、核兵器の無い国際社会とは如何な状態になるのだろうか。平和で理想的な社会になるのだろうか。
 私は、核があるが故に抑制されていた国家間の大規模通常戦争が再発する恐れがあると考える。
 また、密かに核を開発し保有した独裁者が、唯一の核保有者として一挙に全世界を支配下に置こうとする事態が起こりうると考える。
 悲しいかな、人間社会の実態は、核が廃絶された地球にバラ色の未来を約束するものではないのだ。あまり「核廃絶決議」に幻想を抱かない方がよい。

 私は、昭和五十二年(一九七七年)に、ソビエトからSS20という中距離核弾頭ミサイルを突きつけられた西ドイツの首相シュミットが、政治的・軍事的バランスの回復が死活的に重要であると演説してアメリカから欧州にパーシングⅡという中距離核弾頭ミサイルを導入してバランスを回復し、以て欧州を核の脅威から解放した方策が、まさに現在の日本に適用されるべきだと考えている。
 従って、この最適の方策が執れなくなるように自らの手を縛るような「核廃絶決議」に反対した次第である。

 ところで、付け加えておきたいことがある。
 シュミット首相が、一九七七年に欧州にパーシングⅡを導入しようとしたとき、欧州では大規模な「反核平和運動」が起きている。
 しかし、ソビエト崩壊後に判明したことは、この「反核平和運動」を仕組んだのはソビエトだったということである。ソビエトは、欧州に反核平和運動を起こしてパーシングⅡの導入を阻止して欧州をソビエトのSS20による核恫喝下に置き続けようとしたのである。
 ここでも明らかなように、核において劣勢だったソビエトと中国が、西側の核戦力増強を押さえて、その間に追いつき追い越す為の時間稼ぎの手段として西側の善意の平和論者を煽動し利用して仕組んだのが「反核平和運動」の源流である。
 我が国の「反核平和運動」、原水爆禁止運動が隣の中国やソビエトの核開発を非難するものではなく、もっぱら西側のアメリカの核廃絶に向けられていた理由もここにある。
 この度の「核廃絶決議」においても、このソビエトと中国の政治宣伝の系譜から無縁だという保障はない。
 言えることは、この決議を核保有国で唯一核戦力の質的量的増強を続ける中国は、むしろ歓迎しているであろう。
 軍事領域において、中国が歓迎することをしてはならない。
 これも私が「核廃絶決議」に反対した理由である。

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