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日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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西村眞悟の時事通信
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昭和史に刻まれた地名・重慶と済南の出来事から魯迅を思い浮かべた

平成16年8月4日(水)

 サッカーのアジアカップが中国大陸で行われている。
 試合の実況を見る機会は無く、ニュースで知っただけであるが、サッカー観戦の大群集は反日一色で大騒ぎしている。中国人のしゃれた服を着た若い女子が立ち上がり反日のポーズをとって下のほうに座る日本人観戦者を挑発している映像を見た。

 この中国の群集の姿を見て、私は魯迅のことを思い出した。
魯迅がこれを観たら、どう思うだろうかと。

 魯迅は、二十世紀初頭、医学を学ぶために日本に留学していた。学校で祖国の民衆の姿を観た。公開で処刑される中国人を群集が取り囲んで見ている幻燈を学校で映したのだ。今で言う「現地の映像」である。
 魯迅は、その群集が、同じ中国人が処刑されるのをニヤニヤしてみている姿にショックを受けた。
 この日本で見た祖国の民衆の映像が、医学から文学に転向する契機となる。
 彼は、個々の中国人の体を治療するより、文学で民族・民衆を啓蒙して治さねばならないと思ったのだ。何をされても、ニヤニヤとそれを受け入れている群集の体を治しても同じ民衆が続くだけで無意味だと魯迅は思ったのだろう。

 魯迅の、「阿Q正伝」と「狂人日記」を今読み返したわけではないが、ここに描かれた中国と民衆の姿。
 そして、毛沢東思想に盲従して毛沢東語録を振りかざす群集、開放政策よる拝金主義に走る群衆と江沢民の反日教育の精華が現れた群集・・・阿Qの群れ。
 この両者を、今生きていれば魯迅はどう見るだろうかと思わざるを得ない。

 それにしても、この中国を統治するとは、想像を絶することと思っておいたほうがいいだろう。
 従って今も、中国の権力者と群集は、紙一重の動きで「為さざる無き状態」(何でも為す状態)に移行しうる。済南事件、また、文化大革命の惨害。
 
 「狂人日記」の主人公は、中国の書物を読んでいて、その行間に「人を食う」という文字が書いてあるのを発見する(吉田茂のユーモアからでた言葉「人を食って生きている」の「食う」ではなく、文字通り食材として食うこと)。しかし、まだ子供だけは人を食ってはいない、だから「子供を救え!」と最後に狂人は叫ぶ。

 さて、中国の民衆!
 人類史上これほど気の毒な民衆はない。

 二十世紀に限っても、この民衆に対する最大の加害は如何にして為されたのか。
清朝末期、辛亥革命、国共内戦、日中戦争、また国共内戦、共産党勝利と大躍進、文化大革命、天安門事件・・・加えるに、チベットやウイグルやモンゴルやマンチュリアンや他の多くの少数民族の悲劇を思えば、今も続く「暗黒大陸」はアフリカではないと断定できる。
 これらの悲劇は、言うまでもなく、「政権は銃口から生まれる」というテーゼを実行し、「内乱から戦争へ、戦争から革命へ」を実現した共産主義者により二十世紀の悲劇・人類史上最大の人為による惨害・は生まれた。

 この自らが巻き込まれた「最大の加害の構造」から目を逸らされた中国の民衆の姿を見るとき、
 魯迅が見た百年前の民衆と全く変わらない、
 変わったのはファッションだけ、と思う。

 そして、我が国の存在は、この「中国」という存在・現象(国ではない)と近隣として接触しつつあるという構造も、百年前と変わらないのだ。
 よって、我が国家の適切な運営の為に、サッカー競技が行われた「重慶」、「済南」という地名が示唆するとおり、今こそ教訓の宝庫である「昭和史」研究に取り組まねばならない。

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