大阪堺市出身!国家の安全保障や国益優先の信念を貫く行動派!

日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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西村眞悟の時事通信
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天皇のしらす國

令和2年9月4日(金)

外国で、それまで全く日本を知らなかった二十歳そこそこの娘に、
「天皇とは何か」
を教えられたと書いた男がいる。
伊藤祐靖元2等海佐(海軍中佐)だ。
彼は、ミサイル護衛艦「みょうこう」の航海長の時に、
海上自衛隊史上最初の海上警備行動発令に基づく
能登半島沖不審船事件(平成11年3月)という本格的な実戦に遭遇する。
その時「みょうこう」は、
能登半島東方沖から30ノット超のスピードで北に逃走する北朝鮮の工作船を
127ミリ炸裂砲弾を連続威嚇発射しながら追跡した。
北朝鮮からM21戦闘機二機が発進してきたので、
我が方は小松基地からF15戦闘機二機が緊急発進した。
すると、工作船が急に停止した。
そこで、航海長と隊員は、
武器を持って抵抗することが確実な工作船内に乗り込み臨検する準備をはじめる。
しかし、その時、「みょうこう」というより海上自衛隊には、
防弾チョッキがなく、テロ対応に必要な近接戦闘、近接格闘の訓練をした隊員もいない。
そこで、工作船に臨検にいく隊員は死を覚悟した。
ところがその時、工作船は再び猛スピードで逃走を開始し、
遂に北朝鮮の清津港に逃げ込んだため状況は終了する。

この事件の後、伊藤祐靖さんは、
この事件をきっかけに海上自衛隊に創設される
特殊戦部隊である特別警備隊の創設に加わる。
しかし、同隊創設後、42歳で海自を退官し、
単身フィリピンのミンダナオ島に渡り、特殊戦の技術習得に励む。
その時、ミンダナオの海洋民族の二十歳くらいの娘が、
彼に特殊戦技術のほとんどを指南した。
そして、ある時、この娘が、
海底60メートルの地点に戦時に沈没した日本の船から
文字が書かれた銅板を外してきて伊藤さんに見せ、
「これ、日本語でしょう。何て書いてあるの?」と尋ねた。
伊藤さんは、これは関東大震災の二カ月後に
エンペラーが国民に出した命令書だと説明して、一日かけて訳し、
娘に見せた(「国民精神作興に関する証書」(摂政御名)大正十二年十一月十日)。
その訳文を読んだ娘は、
まず、「この時の日本の人口は何人かと伊藤さんに尋ねる。
「六千万弱かな」と答えた伊藤さんに、娘は次のように言った。
以下、会話。

「これ、本当にエンペラーが書いたものなの?」
「そうだよ、エンペラーというか、テンノウ ヘイカ」
「あなたの国は、すごい。」
「何がすごいんだ?」
「あなたは、これは、エンペラーが書いた命令文だと言った。でも、違うわよ。」
「何を言ってんだ。これは確かにエンペラーが書いたものだ。」
「でも、命令なんかしていないじゃない。願っているだけじゃない。
『こいねがう』としか言っていないわよ。」
「そういう言葉を使う習慣があるんだよ。」
「エンペラーは、願うんじゃなくて、命令するのよ。
エンペラーが願っても、何も変わらないでしょ。
願うだけで変えられるのは、部族長だけよ。」
「部族長?天皇陛下は部族長だって言うのか?」
「『こいねがう』と言ってるんだから、これを書いた人は部族長なの。
これは、部族長が書いたリクエストなのよ。」
「部族長か・・・願うだけで変えられるか・・・」
「六千万人全部が一つの部族で、
それに部族長がリクエストを出すっていうのがすごい。
私のところとは規模が違う。」

次に、伊藤さんは、「すべてが腑に落ちた。」と書き、
さらに、
「なんで、ミンダナオ島の二十歳そこそこの奴から、
詔書の真意と日本という国の本質を教えられてしまうんだ。」
と呆然としている(同氏著「国のために死ねるか」文春新書)。
なお、部族長とは、
未開民族や氏族のかしらのことで、酋長と同じ意味である。

さて、このミンダナオ島の娘は、我が国の天皇の詔書を読んで、
直ちに我が国の本質と
天皇は、エンペラーではないと見抜いた。
従って、この娘は、
昭和二十一年五月三日に開廷される東京国際軍事裁判(東京裁判)の、
戦勝国から選ばれた裁判官や検察官として、
昂然として我が国に乗り込んできた欧米人より遥かに慧眼である。
また、戦後教育の自虐史観がしみ込んだ戦後日本人も、
「大日本帝国」と「ドイツ第三帝国」は、
同じ強権を持つ皇帝を戴く独裁帝国だと思っている。
しかし、これも違う。
即ち、我が国は、皇帝を戴くエンパイアー(empire・帝国)ではない。
従って、「大日本帝国」とは、
「帝(みかど・天皇)を戴く国」のことだ。
次に、ミンダナオの娘は、命令を発することをエンペラーの要件としている。
その上で、天皇が命令を発しないでお願いする日本部族の人数が六千万人と聞いて
「すごい」と驚いた。
部族長(酋長)が、お願いするだけでまとまる部族の人数は、
どんな大家族でも数百人程度で、それ以上は無理だというのが彼女の感覚なのだ。
従って、当時の日本の人口が六千万人と聞いて、
日本は途方もない国だと感心したのだ。

本年の春、
武漢ウイルスの感染拡大を阻止するために、
我が国政府が発出した緊急事態宣言に対し、
フランスの大統領などは、
単なるお願いであって、命令ではないこと、強制手段が明記されていないこと、
などを挙げて、感染抑止に意味をなさないと嘲笑するが如く論評した。
しかし、結果は、
フランス政府の命令よりも、我が政府のお願いが効果を発揮した。
フランス大統領が、ミンダナオの娘のように
日本はすごいと感心したかどうか知らないが、沈黙したことは確かだ。

そこで、我々も伊藤祐靖さんと同じように、
ここに日本という国の本質が顕れているのを知らねばならない。
つまり、そもそも、日本とは、
天照大御神が「天壌無窮の神勅」において、
神武天皇に国の創業を促してできた国である。
しかも、この原点の神勅が、
天皇を、
「国民に命令するエンペラー」とせずに、
その地(くに)の民と、
「自他の区別を無くして家族のように一体になれ」、
と促されただけだ。
そして、現在の天皇陛下も、
神武天皇以来この天壌無窮の神勅通りである。
これが、万世一系ということだ。

即ち、生涯を古事記の研究に費やした本居宣長は、
古代大和言葉の「しらす」と「うしはく」の違いを自覚して、
「しらす」こそ、日本が日本である根源だと得心する。
「しらす」とは、
人が外物と接する場合、自分以外にある他のものを、
皆、わが身に受け入れて、他のものと我とが一つになること、
すなわち、自他の区別がなくなって一つに溶け込んでしまうこと。
「うしはく」とは、
ある地方の土地、人民を、
我がものとして、我が私有物として領有支配すること。

天照大御神の「天壌無窮の神勅」は、次の如し。

豊葦原の千五百秋(ちいほあき)の瑞穂國は、
是吾が子孫(うみのこ)の王(きみ)たるべき地(くに)なり。
宜しく爾皇孫(いましすめみま)就(ゆ)きて治(しら)せ。
行矣(さきくませ)。
寶祚(あまつひつぎ)の隆えまさむこと、
當に天壌(あめつち)の與(むた)窮(きはま)りなかるべきものぞ。

また、天照大御神は、
建御雷神(たけみかづちのかみ)を通じて大国主神に、
「爾がうしはける芦原中國(なかつくに)は、我が御子のしらす国ぞ」
と告げられる。
すると大国主神は、天照大御神に従い、
その御子に、自分が領有統治する国を譲られる。
即ち、
自分の「うしはく」国を、
天皇の「しらす」国にしたのだ。
大国主神の国譲りの、とてつもない尊さはここにある。
まさに「奇しき御業」だ。
出雲大社参拝の際の美智子皇后陛下御歌

國譲り祀られましし大神の奇しき御業を偲びて止まず

つまり、わが日本は、
神勅による国の始まりから「天皇のしらす国」だ。
よって、
天皇と国民が一つの家族のように溶け合っている我が国においては、
主権が天皇にあるか国民にあるか、
西洋のように革命を起こして決定するべき前提がない。
つまり、一つの家族の如き「部族」においては、
欧州のように国王から国民主権になったことを
「コペルニクス的転換」と騒ぐ必要はない。
日本には、一神教のドグマはなく、
そのように騒ぎたくなるような野蛮未開な中世はない。
従って、ドイツとフランスに留学し、
帰国しては古事記をはじめとする古典研究に没頭した
明治の大日本帝国憲法起草者井上毅は、
天皇の「しらす」の本質から見て、
国の君主か国民かの何処に「主権」があるのかという欧米の国家概念は、
我が憲法に入る余地はないと判断した。
よって「主権」という言葉は大日本帝国憲法に書かれていない。
これが正しい。
「主権」を入れた日本国憲法(マッカーサー憲法)第1条は
ウソであり、空文であり、無効文である。

笑止なのは、
大日本帝国憲法のもとでの東京帝国大学の憲法学の教授が、
戦後、
日本国憲法(マッカーサー憲法)のもとでの
東京大学の憲法学の教授となったとたん、
昭和二十年八月十五日に、
日本にクーデター(革命)があったと言いだして、
マッカーサーとGHQに迎合したことだ。
これを、アホという。
マッカーサーに聞け。
八月十五日にクーデター(革命)などあるか。
九月二十七日午前十時から三十五分間、
アメリカ大使館公邸で、マッカーサーは天皇の謁を賜った。
退出される天皇を見送るマッカーサーは、
天皇に、
Your Majesty! 
と呼びかけているではないか。

問題は、
この曲学阿世の弟子および孫弟子・曾孫弟子が
現在に至るまで、
東京大学や各主要大学の憲法講座を担当していることだ。
この欺瞞に満ちたおもねり、これが、「戦後」だ。

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