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日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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西村眞悟の時事通信
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今こそ直視せよ「超法律的措置」

平成27年5月17日(日)

 今盛んに報道されている自民公明の協議にかかる「安保法制」のことに関して、
 この度の議論の奇妙さと、
 議論の「土台」、安保法制の「土台」は如何なる観念でなければならないか、
 を書いておきたい。

 まず、議論の奇妙さについてであるが、
 特定失踪者問題調査会代表の荒木和博さんが「調査会ニュース」として私に送ってきてくれた一文を次ぎに紹介する。

 どうしても分からないのですが、これだけ大騒ぎしている安保法制の議論で、
 何で拉致問題がでてこないのでしょうか。

 今ああでもない、こうでもないとやっていることは、私には、
 さんざん泥棒に入られ続け、家族まで連れて行かれた家で、
 しかも誰が泥棒で、家族がどこに連れて行かれたかも分かっているのに、
 「これから押し込み強盗が来たらどうしよう」
 「お世話になっている隣の家に空き巣が入ったらどうしよう」
 という議論をしているように感じられてなりません。

 起きるかどうかも分からない仮定の議論をする前に、
 既に起きた被害について、
 それをどう取り返すか、
 これから起きないようにするか考えるのが当然でしょう。
 進める側も、反対する側も、
 現実に起きていることにどう対処するかで議論すればもう少し話がからみ合うはずです。

 日本人を助けるのは日本政府の仕事、もっと言えば私たちのやるべきことであり、
 米国にも韓国にも任せられません。
「しおかぜ」(調査会の北朝鮮向け短波放送)は、
 時が来ればどんなに遅くても翌日夜の放送からは
 全面的に緊急放送に切り替えて避難場所の指示をしたりできるようになっています。
 そういう日が、一日も早く来ることを期待するばかりです。

 以上、この荒木さんのこの思いに尽きるのではないか。
 要するに、与党の論者には、
 現実に苦しんでいる同胞を如何に救い出すのか、
 という当然の問題意識、使命感がないのだ。
 「馬鹿な大将、敵より恐い」というまことに適切な言い伝えがあるが、
 この言い伝えを思い起こす奇妙な議論であった。

 
 次ぎに、安保法制の「土台」について、
 これは、安保法制は「如何なる事態」を前提にして構築しなければならないのかということである。
 
 結論、それは「超法律的事態」であり「超法律的措置を実施する事態」である。

 西村は、何を言っておるのか、と思われているかも知れないが、既に我々はこの実態に遭遇している。
 しかし、そこでとった措置に、
 「超法規的措置」
 というレッテルを貼ったが故に、
 「ああ、超法規か、法規の世界を超えてしまったのか」ということで、
 そこで思考が停止しているに過ぎない。
 仮に、その時の総理大臣が、
 「我に与えられたこの権限に基づいた措置である」
 と明言しておれば、
 その時我が国は、
 「軍隊(自衛隊)を動かす事態とは何か」
 を実感できたのである。

 振り返っていただきたい。
 昭和五十二年(一九七七年)九月二十八日、日航機ダッカハイジャック事件である。
 日本赤軍が日航機をハイジャックしてバングラデシュのダッカに着陸させ、
 日本政府に、九人の服役囚の解放引渡と六百万ドルの支払いを要求し、
 その要求に従わなければ、順次、人質である乗客を殺害すると通告してきた。
 時の福田赳夫内閣は、「人に命は地球より重い」と表明し、犯人の要求に全面的に従った。
 そして、その措置を「超法規的措置」とした。
 しかし、それは間違っている。
 福田内閣がとった措置は、
 「超法律的」ではあるが「超法規的」ではない。
 「行政権は内閣に属する」(憲法六十五条)という法規に基づく措置である。

 そして実は、この事態こそが、安保法制が前提にしなければならない事態なのだ。
 つまり、もともと事前に法律をつくっておくことなんかできない事態、
 法律の条文を点検して克服できる事態、
 法律通りの事態、
 ではなく、
 現場に臨んだ指揮官の「知性と本能」(ドゴール将軍)に基づいて克服する事態である。
 
 即ち、次の二つの権限によって対処する事態だ。
 アメリカでは、憲法第二条
 「行政権は大統領に属する」
 「大統領はアメリカ陸海軍の最高指揮官である」
 日本では、憲法六十五条と自衛隊法
 「行政権は内閣に属する」
 「内閣総理大臣は自衛隊の最高指揮官である」

 この日航機ハイジャック事件と全く同時期に、ルフトハンザ機ハイジャック事件が起こった。
 そして、西ドイツのカール・シュミット首相も、
 福田首相と同じ、「超法律的措置」を決断した。
 しかし、その決断の内容は、正反対、天地違う。
 シュミット首相は、犯人の要求を拒否し、
 軍隊である国境警備隊の対テロ特殊部隊をルフトハンザ機が着陸しているアフリカのモガジシオに送り込んで犯人を射殺し乗客全員を解放した。
 
 その特殊部隊投入措置の法的根拠を問われた西ドイツ政府は、
 福田内閣のように「超法規的措置」とは言わず、
 「特殊部隊をモガジシオに出してはいけないという法律がないからだ」と答えた。


 昨日、郷里の若い人達がつくっている信太山自衛隊協力会絆支部の総会に出席して講演をさせてもらった。
 信太山自衛隊とは、信太山に駐屯する陸上自衛隊普通科(歩兵)第三七聯隊のことである。

 その会での講演で、以上の福田赳夫首相とカール・シュミット首相の、期せずして同時期の決断を説明し、
 その決断内容が如何なるものであっても(情けない決断であっても)、
 如何なる権限に基づいた決断かを明確にしなかった「つけ」が
 現在の安保法制の混迷につながってきていると述べた。
 
 このままでは、そのうち、
 かつてのソビエトのスターリンの軍隊のように、
 各自衛隊の部隊に「政治将校」が配属され、
 彼が、如何なる事態かには無頓着で、自民公明をの協議マニュアルを覗きながら、
 「あれはできる、これはできない」と部隊に指示し、
 その指示通りに自衛隊が動くというな事態になるのではないか。
 この体制で緊急事態(現場)に臨めば、
 現場での自衛隊の破綻は明らかで、現場の破綻は国の崩壊に直結してくる。
 これが、「馬鹿な大将、敵より恐い」ということだ。

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