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真悟が征く
2001年より2002年3月まで
「大阪新聞」にて毎週金曜日に連載されていた西村真悟のコラムです。
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平成13年12月20日掲載

 「青木建設が倒産したのは、構造改革の結果で・・・」と、小泉総理がコメントしていた。
「何を考えとるんや」と首をかしげる。青木建設が倒産したのは、不況で仕事がないからだ。
「構造改革」は、この間、具体的に何もされていない。何もしないうちに不況がどんどん深刻化するのを「構造改革」というならば、総理大臣の頭がおかしい。頭がおかしくないならば、もう一度、小泉総理の「構造改革」の内容を考え直さねばならない。
 「構造改革」も「不良債権処理」も、アメリカのブッシュ政権が奨励するスローガンであることに再度注目しよう。九月十一日の同時多発テロ直後の日米首脳会談でも、日米テロ対策そっちのけで、小泉総理はアメリカから「不良債権処理」を要請されていた。さらに、総理に近い若手の一人が、青木建設の再建可能な優良パーツは、既にアメリカ系外資が買いに来ていると、安心してくれと言わんばかりに述べていた。どうもおかしい。ひょっとすると、総理の言う構造改革・不良債権処理とは、日本企業解体・アメリカ系外資への叩き売りのことではなかろうか。
 不況のウォール街のプロにとって、我が国の民間資産千四百兆円はとてつもない魅力だ。しかも、総理大臣は、このデフレ下に「構造改革」や「不良債権処理」に偏執的に執着している。この際、コイズミを煽て励ますにしかずだ。日本政府は、三兆七千億円の公的資金を投入した長銀を、投入資金の三千七百分の一の十億円で外資に売ってくれたではないか。さらに日本政府を煽て続ければ、日本の民間優良パーツが極めて安価に手に入る。日本の「構造改革完了」とアメリカの「日本買収完了」は実は同義語なのだ。従って、外資系が青木建設の優良部門を買いに来ておれば、その倒産も小泉総理にとっては誰も文句を言えない「構造改革」の結果になる。こう考えれば辻褄が合う。
 五十六年前の大東亜戦争後、戦前は全て悪かったとGHQが指導してマスコミが踊り、財閥解体、教育制度解体など、つまり「構造改革」となった。そして、この度はバブル時代は全て悪かったと、森羅万象全て「構造改革」だ。さらに、アメリカに励まされて思考停止し、倒産続出・自殺者年間三万人も、「構造改革」の結果となっている。どうも、五十年前と今、妙に符合していると思わないか。

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