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惰眠を貪った半世紀のツケ
日本は座して死を待つのか!!
北のミサイル発射は、他国に頼るだけの日本国防がすでに破綻している証明だ
衆議院議員 西村眞悟
国防より地元陳情を優先した防衛庁長官
八月三十一日、北朝鮮が日本列島の上空をこえて太平洋に弾頭が落下するテポドン型ミサイルを発射。我が国の朝野は震撼した。
その数日後、北朝鮮はこの発射はミサイルではなく、人工衛星の打ち上げである旨を発表した。アメリカもさらにそれから数日後、北朝鮮の人工衛星打ち上げ説を逡巡の末追認した。
これと平行して我が国では、ミサイル発射の直後、防衛施設庁の武器調達問題に関し、東京地検が強制捜査に着手した。この問題は本年六月以前に検察が関心をもっていたが、参院選前は、政権にダメージを与えるという配慮で強制捜査が見送られ、参院選後は、敗北した与党にさらに混乱をもたらすとの理由で放置されていた。しかし、検察はミサイル発射直後の強制捜査開始を選択した。
この錯綜した情報の流れの中で、国会議員の関心は、急速にミサイル問題から去っていった。反対に旧社会党の代議士は北朝鮮に対し、ミサイル発射成功を祝福するメッセージを送ってきた。
また、本来国防問題を集中的に質疑しなければならない衆議院安全保障委員会の質疑では、対ミサイル防衛を取り上げ続けたのは私の属する自由党だけで、他は二日間の質疑をすべて防衛施設庁の武器調達背任問題に費やしたのである。これでは、安全保障委員会ではなく、検察下請委員会である。
しかし、さらに憂慮すべきことは、額賀防衛庁長官のミサイル発射当日の行動である。彼は夕方、防衛庁を離れ「霞ヶ関周辺で過ごし」、それから宿舎に帰って寝た、と説明した。では、「霞ヶ関周辺」で何をしていたのか。そこで彼は地元の陳情を受けていたとのことである。
長官不在の中で、防衛審議官はミサイルに関する情報を整理し、深夜、国民にテレビで説明した。防衛庁長官は、国防そして国民の説明よりも「地元の陳情」を優先したのである。
テポドン発射の目的こそが大きな問題だ
日清戦争前、清国北洋艦隊は、定遠・鎮遠という当時世界最大級の戦艦を東京湾に入れて示威運動を行なった。朝野は震撼した。
しかし、この事態を受けて、明治の政府は問題点を明確にとらえ、かつそれへの対応を忘れなかった。このことが日本国家の存続を確保した。ここに明治の日本と平成の日本の違いがある。これは果たして同じ国家なのかと思えるほどの違いである。平成の日本を百年前の東アジアに位置せしめるならば、大国意識のもとに惰眠を貪っていた清国に似ている。とするならば、このように似た国家がたどる運命も同じであろう。
さて、私はここまで、政府と国会議員の状況を述べたのではない。
つまり、私は政府と現在議席を有する議員は清国に似ており、この条件下では清国の運命の後追いをすると明確に断言するが、国民の覚醒は我が国家を救うと確信するものである。我が国民は「阿呆」ではない。したがって私は以下に本問題の要点と国防における課題を述べる。
テポドンがミサイルであったか、人工衛星であったかは本質的問題ではない。我が国の政界とマスコミが人工衛星ということで、簡単に視力を失ったのは無能である証拠である。問題は、テポドン発射が何を目的として実施されたのか、という実験目的とその成否にある。
ノドンの命中精度を甘く見ていた防衛庁
さて、この事態に対する我が国政府の姿勢を衆議院安全保障委員会における防衛庁長官の答弁を中心に報告する。 まず、ミサイルの弾道を察知する能力は我が国にはない。当然、飛翔するミサイルを撃墜する能力もない。
これを前提に「座して死を待つ」よりも、敵ミサイル基地を攻撃破壊して、ミサイル攻撃から国民の命を守るのは自衛の範囲である。
したがって問題は、北朝鮮の基地を攻撃破壊する能力が我が国にあるのか否か。ないならば、その能力を早急に獲取する意思ありや、ということになる。
しかし、我が国の防衛庁長官は、「攻撃的な兵器は専守防衛の趣旨に反する」と述べ、答弁を避けたのである。つまり、敵ミサイル基地を破壊する兵器は攻撃的であるから現在は保有していない。また、それが攻撃的であるがゆえに、将来保有し得ない。座して死を待つことしかできないが、アメリカ様は必ず日本に代わって敵基地を破壊してくれるから命だけは助かるというわけである。これが、国民の命を守ることが国政の使命などと言っている我が政府の答弁なのである。言うまでもなく、攻撃的ではない武器など水鉄砲以外、存在しない。
かつて、平和な時代に攻撃的平気保有反対を主張する社会党対策として、自民党はその詭弁を受け入れた。しかし、現実の事態に直面して確認されたことは、自民党は政権存続のために、詭弁を受け入れたのではなく、実は信じたということなのだ。つまり、自民党は社会党の不可分の一対であり、レッテルは違っても内実は自民党そのものであることを確認しなければならない。しからば、国民はこの狡猾なレッテルの詐欺から放され、社会党と同様に自由党も解体せしめ、国政に新時代をもたらすことができるのだ。
破綻が明らかになった他力本願の国防
私は、金融の問題よりも国防問題が大切だと思う。 なぜなら金融、つまり経済の問題は、試行錯誤できる。しかし、国防問題は国家存亡の問題であり、しかもそれが「待ったなし」で追られる問題だからである。 最後にアメリカ様の問題に触れる。
なぜならば、日本が何もしなくてもアメリカ様が日本防衛のためにすべてやってくれるというのが政府の答弁だからである。果たしてそうか。
アメリカの最大の関心は中東にある。中東の「死活的利益」を確保するためには、東アジアでの取り引きには応じるのがアメリカだ。したがって、中国の南シナ海制圧、南沙、西沙諸島占領は黙認している。アメリカが優先するのは中東、そしてイスラエルであり、日本ではない。日本にあるアメリカ軍基地は、この最優先課題に必要だから日本を立てるに過ぎない。言うまでもなく、アメリカと中国の政権を動かすものは信義ではなく利害である。
アメリカは、世界最大の債務国であり、日本は最大の債権国だ。中国は日本からの最大の被援助国だ。興味があるのは日本の富だけだ。日本が国家ではなく、香港のように自由になれば、それに越したことはない。債務者は、債権者の苦境を傍観するものだ。 クリントン大統領は、エリツィン大統領からロシアの前記国防省報告を見せられていた。しかし、アメリカはテポドンを人工衛星と発表した。この遅れた発表までの間に何らかの打ち合わせがある。 要するに北朝鮮のミサイルは、他国に頼るだけの国防はすでに破綻しているという当然のことを、我が国に突き付けたのだ。
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