魂のこもる日比谷公会堂ー拉致集会でー
No.284 平成19年 4月27日(金)
平成19年4月22日、東京の日比谷公会堂において、「拉致被害者全員の即時返還を求める国民大集会」が開催されました。以下は、拉致議連幹事長としての挨拶です。
尚、この挨拶の中で紹介させて頂いた池田真咲さんとのご縁は、私の恩人で師である高橋季義さんに頂いた。高橋さんは、実業家(株式会社きんでん社長・会長)であり、愛国者であり、至純の憂国の士であり、宗教家・禅師(私はその弟子)であり、そして結局、常に純粋な帝国海軍の青年士官(海軍兵学校出身)であられた。
高橋季義師は、数年に及ぶたった一人の白血病との闘いを完遂され、昨年の夏、平成18年8月13日晩、帰天されたが、その抗癌治療の想像もできない苦しさの中で、同じ病の苦しさと闘う18歳の少女、池田真咲さんと出会う。それからの、兵庫西宮市と東京都昭島市に住むお二人の文通には、人の純粋で透徹した神に近い魂を感じさせるものがあった。私は、時に高橋師から池田真咲さんの手紙を拝見させて頂いたが、その若き女性の知性と憂国の情に驚嘆した。私など、この少女の足下にも及ばなかった。その中に、日比谷公会堂の拉致被害者救出集会で最前列に座って壇にいる私を間近に看ていたと書かれてあった。真咲さんから、私は如何に力強く励まされたことであろうか。
池田真咲さんも、高橋師を慕うように追うこと3ヶ月後の昨秋、天に帰られた。享年22歳。私は、一度も真咲さんに直接お会いすることは叶わなかったが、真咲さんのお母さんから日比谷公会堂での集会の前日である21日に、お手紙と共に浴衣姿の真咲さん、それに高橋師と真咲さんが並んでいる2枚の写真を頂いた。「娘をお見知りおきくださいませ」と。
翌朝、私はその手紙と写真を胸に入れて上京し、日比谷公会堂の壇に登った。すると、真咲さんがこの中におられると思い、自然と目がかすんだ。そして、真咲さんと同じように拉致被害者救出を願って一同に会した皆様に、真咲さんをご紹介させて頂いたのだった。
記
拉致被害者全員の即時返還を求める国民大集会 挨拶
(平成19年4月22日 日比谷公会堂)
皆さんこんにちは。本日は拉致議連会長の平沼赳夫先生の指示で幹事長である私が拉致議連として主催者代表の挨拶をさせていただきます。日曜日であるにもかかわらず誠にご苦労様でございました。
本日は統一地方選挙の後半の投票日でございます。本来ならこの席にいつもいる同志たち、例えば私の郷里の八尾の三宅博市会議員などは投票日で顔を見せることが出来ませんが、彼らは自らの選挙区において拉致被害者の救出を訴え、自治体がしている人権教育の中核に拉致問題を位置させるべきだと訴え、朝鮮総連の施設に対するいわれ無き免税措置を廃止するように選挙活動をしているということを皆様にご報告させていただきます。
さて他人の骨を横田めぐみさんの遺骨だと称して我が国に送り届け、そしてそれが真っ赤な嘘であると判明した平成16年の12月以来今日までの経過を眺めますならば我々は眼をそらすことの出来ない拉致問題の本質を今こそ見つめなければいけないと思うわけであります。拉致議連というものは政府が言わないときに物を申し、また政府が言えない事を言う立場にある議連でありますから、これからはその立場で申しますと、我々が目をそらすことが出来ない拉致問題の本質というものは国家主権の侵害であるということであります。国家主権の侵害とは皆さん何ですか。国家主権の侵害とは戦争状態ということであります。そこで拉致問題の解決のためには日本国と日本国民が覚悟を決めなければ到底前進はしないというのがこの2年間の経緯をみても判明することであります。然るに日本国政府は未だ拉致問題を人権侵害、個々の犯罪のレベルでしか把握しようとしていない。それは端的に特定失踪者の1000番台リストから2年に一人ずつ、二人ずつ拉致認定をしてきたという今までの経緯からも明らかでしょう。個人的人権侵害、犯罪だというから国籍の壁が出来てしまうわけであります。またどうして救出するのかというこの要の質問に対して日本国政府の答弁は、金正日が解放する気になれるように圧力をかけるということであります。然るにこれが戦争であるという本質をもってその対策を講じるならば金正日がその気になろうがならまいが我々は救出しなければならないのです。拉致議連は2年前に金正日体制の打倒を決議しています。戦後日本の政治史の中で国会議員の集団が他国の政権打倒を決議したのは拉致議連が初めてであり、他にはありません。
ではどうして金正日体制を打倒するのか、みなさんいよいよ正念場です。アメリカは腹の底ではイランとの戦争を決意して進んでおりますので、ブッシュ大統領の親父さんの大統領の時代から地上兵力が半分になっているという現実を見てもイラク、イランで事を構えながら朝鮮半島で事を構える能力はありません。したがって我々日本は独力で北の核を抑止しつつ救出する実力を保持するべく今こそ決断しなければならないのです。ドゴールフランス大統領が言ったことがフランスで現実にならずに、我が日本で現実になっている、即ち核を持たない国は独立国家として独自の国家意思を決定できないということです。この議論はやっと出来る時期に来ました。国民の一致団結した拉致問題の本質を見抜いた覚悟が必要であります。その意味で従来の惰性を排除しなければなりません。何が従来の惰性か。人権と平和。戦後日本は人権と平和を叫んでいました。それは誰の耳にも入っていました。しかし人権と平和を叫ぶ勢力に限って拉致問題の本質から目をそらしてきたのです。むしろ拉致問題はなかったかのごとくそれを封印してきたのであります。これが惰性というのです。しかしながらこの惰性は完全には排除されていません。その証拠に今、皆さんの津々浦々で行われている統一地方選挙において拉致問題は争点となっているか、参議院補欠選挙で争点となっているか、なっていない、という事は我々は闘い続けなければならないということです。
私のご挨拶を締めくくるにあたって皆さんの心に一人の若い女性のことをご紹介させていただきたいと思います。横田さんはご存知ですが池田真咲さんという方であります。いつもこの会場に居られて最前列で座って居られて今も居られると思います。苦しい闘病生活の中で命の証として救出運動に取り組まれました。浴衣を着た姿はめぐみさんにそっくりであります。昨年の秋の暮れに亡くなられましたけれども、池田真咲さんが私の師事する恩人のもとに送った手紙を拝見いたしましたら、その精神の豊かさと透徹せる知性に驚嘆いたしました。私のことを書いてくれていたわけであります。私がこの1年歩んでこられたのは池田真咲さんの励ましのおかげです。その池田さんがこのように言っておられたと母上が仰っておりました。「政治家は世のため人のために働く存在だと言われるがこれは違う。政治家は正義を見極めることが本分であり、その正義を見極める政治家の下で行政が世のため人の為に働けばよいのだ」と。正義というこの言葉を豊かな精神と透徹した知性の真咲さんがよく用いられたと。そしてその正義の名において拉致被害者救出を自分の命の証とされたわけであります。昨年秋に亡くなられましたけれどもお母様は彼女の志を一つ引き継いだ仕事をしたいと思ってオリジナルの切手を発行しようと思い立たれました。それはブルーリボンを真ん中の図柄にしてその周りに「拉致被害者の生存と救出を願って」という文字が書かれた切手を製作しようとされたわけであります。しかし郵便局に申請をして一ヶ月待たされた結果、郵便局からはお断りの連絡があったということであります。何故なら「拉致被害者の生存と救出を願って」というこの文字は個人の思想信条に関するものだから切手としては作れないというわけであります。先程安倍総理また官房長官が来られ、拉致被害者救出は国是だといわれて、テレビではその広報映像が流されポスターも作られている。しかし拉致被害者の生存と救出を願っての切手は個人の信条に当たるから作れないというのが我が国の国家にある組織なのです。
皆さんここでもうお解かりでしょう。国内にまだまだ敵が居るのです。我々は金正日と闘うとともに国内の敵とも闘わねばならない段階にまだあるということを覚悟しなければなりません。そしてこの日本国と我々日本国民全員が一致団結するように池田真咲さんと共に闘って行こうではありませんか。どうぞ宜しくお願いいたします。
以上
高橋季義師と池田真咲さんの御霊安からんことを心からお祈り申し上げます。
(了)
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