領土と国民

No.27 平成14年3月23日土曜日

 北方領土

 鈴木宗男が、「北方領土などにこだわっているより、実利を取ればいいのだ」と内部で公言したメモが外務省で作成されていて、事務次官以下、幹部の内部回覧を経て残されている。
 ということは、北方領土交渉を重要課題として抱える外務省の中で、領土返還にこだわるなという鈴木宗男が力を持っていたことになる。
 ということは、外務省は表向きは領土返還の看板を掲げながら、腹の内では鈴木宗男とともに領土などどうでもいいという思惑で日露交渉をしていたことになる。
 これで読めた。なぜ、橋本総理大臣がクラスノヤルスクから川奈までの会談をエリティンと組みながらカネを貢ぎいともあっさりと「法と正義」を捨てた訳が。
 橋本総理は、エリティン会談で「法と正義」を捨てたのではなく、もともと捨てた上で日露交渉をしていたわけだ。
 橋本内閣までで、ロシアに貢いだカネは約1兆円である。

 我が質問に対する外務省幹部の対応

 森内閣の時、本会議で、落ち目の森総理をプーチン大統領にあわすべきではない、と質問したのは私である。橋本内閣で、我が国は、領土に関する「法と正義」を捨てたのだ、したがって、これを回復するために原点に戻れと同時に迫った。2島返還論を言うものが与党内にいるが、この論はロシアの術策に嵌り、4島はおろか2島も帰ってこない、とも明言した。
 この質問の翌日、外務省幹部が、我が部屋を訪ねて来て、いかに外務省が一生懸命に対露交渉をしているか、軍隊の力も借りずにここまでしている、もしこれ以上せよというなら、軍事行動を決断して、ロシアと戦争しろとでも言うのか、とくどくど説明した。
 この男が外務省きってのロシア担当幹部であり鈴木宗男の腰巾着であった。

 政・官合作の腐敗構造

 北方領土では、このように領土という国家における不可欠の要素をドブに捨てながら、政・官合作の腐敗が進んでいたのだ。
 では、国民という国家にとって不可欠でかけがえのない構成員に対してはいかなる背信があったのか。
 それを端的に表しているのが北朝鮮に拉致された日本人救出問題である。

 拉致は日朝友好の「障害」か

 北朝鮮の対日窓口は、社会党から自民党に移った。自社両党による金丸訪朝団からである。
 さらに、この訪朝団以前から日本政府は北朝鮮に拉致された日本人がいることを知っていたのだ。
 金丸訪朝団は、拉致された日本人を無視しながら、戦後の補償も含めた「償い」を北朝鮮にすると涙を流して約束していたことになる。

 補償はカネ、カネは利権の花見酒

 この補償が浮上したことで、戦後賠償に関する利権のうまみを知る自民党は色めきたつ。そこから始まるのが、米支援である。
 加藤自民党幹事長は米50万トン、野中自民党幹事長は米60万トンをそれぞれ北朝鮮に送るために奔走する。ともに拉致された家族の要望を無視してである。
 独裁国家に対する属人的な支援は、莫大なキックバックの甘みがあるとは政界の常識である。

 同じ腐敗の二つの現れ方

 したがって、領土を売って利権に変える流れが北方領土問題にあり、国民を売って利権に変える流れが北朝鮮にある。
 社会党はもともとソ連を母国と思っていた集団である。また、北朝鮮労働党と社会党は未だに友党関係にある。このあとにかぶさっていったのが自民党である。
 つまり、自社構造の腐敗が領土と国民の運命をないがしろにする形で官僚機構を巻き込んで進行してきたのが、北方領土問題と北朝鮮日本人拉致問題である。


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