一ヶ月ぶりの時事通信
No.230 平成18年 7月 6日(木)
先月の6日に、ここに通信させて頂いてから、はや一ヶ月が経とうとしております。
梅雨の真っ最中であります。万物は雨に濡れて根を張り、紫陽花は生き生きと水滴をたたえた葉を茂らせています。そして、既に多くの田んぼでは田植えが終わりました。
この間私は、6月19日と7月3日の、大きな山場の公判廷を経てまいりました。
今、大きな重圧から少しは楽になったというところです。
本年冬、この度の事件について、弁明すべきは公判廷で申し上げますと、マスコミの諸君に申し上げましたが、その公判廷もほぼ予定が後半に入っています。
既に公判廷で多くを申し上げました。
よって、ぼつぼつ今まで自らに課していた院外での謹慎をゆるめて、言論を中心にした政治家としての院外の活動を再開していきたいと存じます。
その手始めに、本日は7月後半に発売になる雑誌「正論」の別冊号に掲載予定の原稿を書かせていただきました。
その内容は、昨年12月の大阪拘置所の独房の中に於いて、
私が感じたことを起点にしたものです。
二畳の密室でも野原の青空の下でも、人は、何処にいても天のもとにあるのです。
「家陋なりといえども、膝を折るべく、庭狭きも、碧空仰ぐべく、歩して、永遠を思うに足りる」。
その時私は、不思議な思いに包まれていました。それを少々書かせて頂いたのです。
本日早朝、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したという報道に接しました。7時半頃にまた発射したと聞いたので、窓の外の六本木ヒルズあたりの上空を眺めました。ここに来るならあと10分かと。
ところで、このミサイルが発射されるまで、ずいぶんと報道がおかしかった。一ヶ月近く前から、やるぞやるぞと、オオカミ少年の警告のように聞き飽きていた。
この時も、政府は過剰反応をした。それ故、発射すれば経済制裁をせざるを得ないと言ってしまった。
馬鹿な、そんなことを言えば、発射しない以上、制裁ができなくなるではないか。北朝鮮は何らの手間をかけずに我が国の手足を縛る事に成功したなと思ったものだ。
果ては、燃料を注入したとの情報が伝えられた。燃料を注入したのなら発射しなければ地上で爆発するのだから発射するだろうと思って「期待」していたら何もなかった。ということは、燃料注入の情報はでたらめだったということになる。
はてな、情報をくれる親切なアメリカさんは、何をたくらんでいるのかと訝った。風が吹けば桶屋が儲かる。泥棒がいるから鍵屋は儲かる。北朝鮮がいるからアメリカは日本にMDシステムを売れる。
というわけで、結局忘れていた頃の今朝発射された。プレスリーの家に行って得意になって帰ってきたばかりの総理大臣もビックリしただろう。
それで、号外が出る大騒ぎだ。もっとも、サッカーの中田が引退を表明したときにも号外が出ていたからサッカーなみの大騒ぎなのだ。
こうなれば、テレビに出てくる評論家は、発射したのは何ミサイルか、テポドンか、ノドンか、スカッドかと細かい解説を求められている。
しかし、種類の解説はどうでもいい。問題は何処に対する発射かということだ。言い換えれば、何処に落とすつもりのミサイルかと言うことだ。
この答は、ズバリ日本である。
解説者は、アメリカへの警告だとか、アメリカと交渉をしたいからだとか言っているが、これらは副次的なものであって、
何処に落とすぞというミサイルかといえば全て日本ではないか。その証拠に、皆日本に届くミサイルで、着弾は、皆日本海である。
よって、解説者ならぬ政治家なら、
「このミサイル発射は我が国に対する攻撃である。無法者が頭に向かって鉈を振り上げたのと同じである。断じて許すことができない。」と言わねばならない。
それを言った上で、覚悟を決めることだ。
そこで、私はどう思ったかであるが、このミサイルが日本が目覚める切っ掛けになってくれよと願った。
このミサイルが、日本が今までの惰性から目覚める切っ掛けになってくれれば我が国にとって大きな意義があり、北朝鮮は貧乏くじを引いたことになる。
目を覚ました日本人がどれほどの力を発揮するか、再び思い知らせてやることができる。
数日前に、我々が見せられた映像を思い出して欲しい。
プレスリーの家で、ブッシュ大統領とマスコミを前にしてプレスリーの真似をする小泉総理の姿である。
あの姿を見て、私の世代は、進駐軍の前で歓心を買うためにおどけてみせる気障な日本人の姿を思い出す。
ブッシュ大統領は、横田早紀江さんに会って涙が出たと言った。これに対して、小泉氏は拉致問題に関心を示していなかった。これが首脳会談かと思うほど緊張感がなかった。私的に旧交を暖める旅行であり、政府専用機を使う旅行ではなかった。
そして総理は、これからサミットという旅行に向かおうとしている。
その前に北朝鮮がミサイルを発射したのである。
総理と政府に緊張をもたらす発射であった。
総理は、直ちに、北朝鮮への全面制裁を決断して、
しかる後にサミットに臨み、アメリカはじめ参加各国に、拉致被害者救出と核・ミサイル問題解決の為の同調を強く促すべきである。
さらに、国連に対しても国際社会の安全と人権のために強い決議を促し、一部の国連参加国にサボタージュされるならば、拠出金を引き上げるべきである。
以上の措置に踏み切る切っ掛けになりうるこの度のミサイル発射である。
全ては、小泉氏に文字通りの「最後のご奉公」をする意思があるか否かにかかっている。
総理の、全面的制裁の決断と、サミットでの活躍を切に期待したい。
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