大阪堺市出身!国家の安全保障や国益優先の信念を貫く行動派!

日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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西村眞悟の時事通信
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国家における情と理

平成14年9月21日(土)

   情のない理は有害であり、
   理のない情は無力である

 この度の北朝鮮との交渉再開合意に関して、理と情を分別して、「情においては許し難く、理においては歓迎する」との論評がある。
 しかし、私は言う。
「真実、情において許し難ければ、理においても受け入れ難いのである」
 情を無視して構築された理は、いずれ破綻するのだ。

 例えば、国交正常化交渉再開・・・合意成立・・・経済援助というプロセスが進むとき、その結果が日朝両国国民の安全と幸せを約束するであろうか。
 合意成立・経済援助とは、まさに自国民の一割が餓死しても顧みることなく核とミサイルの開発に血道を上げている独裁者に対して行われるのだ。
 その時の経済援助とは、即ち独裁権力を強化し延命させるために役立つのだ。ここにおいて、北朝鮮国民の怨嗟の対象は、我が日本となる。
 これでは、隣国との友好を目指しながら、反対の結果への努力を続けることになる。
 即ち、理においても破綻しているではないか。

  プライベイト ライアン

 映画「プライベイト ライアン」を観た方がおられると思う。

 ライアン一家の4人の青年のうち、3名が戦死した。参謀総長は、最後に生き残っている可能性のあるライアン2等兵の救出を命じる。
 そして、ライアンのお母さんには、軍の最高位にある将官が砂埃を挙げながら畠中の道を延々と走って、3人の息子の戦死を伝えに行くのである。

 理において、一人の2等兵の救出・戦線離脱を命じるのは、受け入れがたい。情においては分かる。
 情においては、分かるが、理においては、戦死を伝えるのは電報で良いではないか。忙しい幹部が、わざわざ時間を割いて出向く必要があったのか。

 以上、この度のように、プライベイト ライアンのストーリーにおいても、理と情を分離して解説することもできる。
 しかし、現実の戦死伝達のなかに、現実のライアン救出のなかに、私は、アメリカを勝ち抜かせた精神を感じるのだ。
 軍の最高幹部が、戦闘中の2等兵を消耗品としかみなさず、その2等兵のお母さんのことを考えないならば、そこで構築されていく理は、ついには国民の納得するところとはならず、理と国民意識との乖離は益々ひろがり、ついに国家は戦争継続能力を失っていく。

 国家における情と理を考える場合には、その時の、一時の損益計算書ではなく、「民族の品格」、「民族の価値観」が歴史に如何に現れゆくかという観点から総合的に決断すべきである。そうすれば、国家における情と理は、分離して論じられるものではなく、総合的・全一的に把握されるべきものである。
 よって、国家にとって
 情のない理は、有害であり
 理のない情は、無力である


   理性と本能

 では、情と理の全一的判断は、いかにして為されるのか。それは指導者における
「理性と本能」
 によってなされる。
 ドゴールは、指揮官にとっての最も重要な資質は「理性と本能」であると言った。私もそう思う。
 理性は、事態を事後的に客観的に整理して説明する能力である。本能は、錯綜する事態の本質を見抜き、そして活路を決断する能力である。


   日朝平壌宣言とはなにか

 この宣言は、日本国民の情を無視し、理において整理されているように見えるが、結局、その理も破綻した結末を迎えるであろう。情のない理は有害となろう。
 前述したように、この理を押し進める果てには、朝鮮民族の我が国に対する怨嗟と日本国民の我が国政に対する絶望がある。


   なぜ、総理は被害者家族に会えないのか

 総理は、日朝会談前日は、「澄んだ心で会談に臨みたい」という理由で拉致被害者家族に会わなかった。つまり、総理にとって、事前に家族に会えば、「心が濁る」のだ。
 私は、会談後の18日には、総理は家族に会って説明すべきだと、首相官邸に申し入れた。しかし、官邸からの答えは、27日に家族に会うというものだった。
 そして、北朝鮮が言う拉致被害者の消息は、家族を外務省飯倉公邸に呼びつけた上で、事務的になされたのである。さらに、19日には、電話で北朝鮮が言う死亡年月日が伝えられた。
 何故、最高責任者が自ら家族の元に行って、説明しないのか。総理は、拉致問題解決無くして国交交渉なしお、つまり、拉致問題が最大の課題と言っていたではないか。
 最高指揮官がはるばる部下のお母さんに報告しに行くプライベイト ライアンという物語を生み出すアメリカに、お骨のない骨箱を届けるだけの我が国が敗北した。

 この度の日朝交渉も、小泉総理は情において敗北したのである。そして、理において破綻するであろう。

  破綻の原因・・・外務省とは何か

 現中国大使が、アジア局長の時、横田めぐみさんをみたという亡命北朝鮮工作員の証言がでた。しかし、アジア局長は「亡命者の証言は、信用できない」と発言した。つまり、拉致を否定したのである。
 現シンガポール大使が、アジア局長の時、もはや拉致は動かしがたい事実になっていた。しかしアジア局長は「10人ほどの拉致で、国交交渉がとまるのはおかしい」と発言し、拉致被害者は、国交交渉の「障碍」にすぎないとの認識を示したのである。
 そして、現アジア局長は、昨年の東シナ海に沈んだ工作船引き上げ遅延を当然とし、ワールドカップ中の南北朝鮮ミニ海戦を、偶発的ではあり得ないのに「偶発的」と発言した。そして、北朝鮮が死亡と述べた被害者に関しては、さも日本側が死亡を確認したかのように伝えながら、肝心の死亡年月日を伝えなかった。
 情もなく理もないではないか。情を感じることなく、理に盲目なこのような組織に外交を担当させれば、国家を危うくするの明かである。

 小泉総理は、このような組織がセットした会談に乗ったのである。
 それでも、総理に情と本能があれば、金正日に、「殺したのか」と訊くはずだ。人を誘拐し殺した犯人と握手できるか否かは、自明のことである。
 自分の娘を殺した者と握手した者は、その娘のお母さんに会えるものではない。
 総理が会談前後に家族に会わなかったのは、会えなかったのであり、理にかなっている。

 結局、我が国家は、この度の日朝交渉において情と理の分裂をきたし、 理においても情においても破綻したのである。

 構造改革や「自民党解体」や政界刷新や政権交代のレベルではない。
 もはや、「救国」だ。立ち上がろう。
 国を救え。
 何より、我らの情を救え。理を救え。

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