大阪堺市出身!国家の安全保障や国益優先の信念を貫く行動派!

日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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核の傘

平成20年12月23日(火)

 今日は天皇誕生日である。
 昨夜、最終の新幹線で堺に戻り、今朝は、自宅近くの仁徳天皇陵に参拝し、天皇皇后両陛下のご健勝と御皇室の弥栄、そして、日本再興を祈った。
 思えば、この仁徳天皇は、今に続く皇室の
 「民の幸せを祈る天皇」
の原像を歴史に刻まれた天皇である。
 即ち、仁徳天皇は、民のかまどから煙が上がっているかを観て、煙のない時は悲しみ、煙が上がるのを観て喜ばれた。そして自らは、雨がもる家に住まれ破れた衣を着ておられた。
 京都三条の加茂川縁に江戸中期の林子平とならぶ奇人といわれた高山彦九郎の銅像がある。皇居の方を向いて土下座している。彼は、皇居の壁と塀が破損していて、そこから灯りが漏れてくるのを見て、天皇の質素な生活を思い涙して土下座したのである。この情況を幕末の高杉晋作は、男高山彦九郎、落つる涙は加茂の水、と歌った。(この像の下で、学生時代座って酒を飲んだ)
 また、明治四十二年生まれの私の母は、父親が見た明治天皇の質素な御日常を聞いており、それを私に伝えてくれた。
 また、明治天皇は、日露戦争中の冬、居室に暖房をなさらなかった。将兵が極寒の満州で戦っているときに暖房の中で冬を過ごすことは出来ないと思われたのだろう。そして、大正、昭和、平成の今上陛下も御日常は質素そのものである。皇居内で勤労奉仕をされた方々は、それを実感されていると思う。
 書き出せばきりがないが、この御自らは質素な生活の中で「民の幸せを祈る天皇」の原像を伝えられた仁徳天皇の御陵に今朝参拝させていただいて、改めて感じたことは、この皇統が万世一系今に続くとは、日本はやはり、とてつもなくすばらしい国だというありがたい神秘な思いである。
 本日の天皇陛下のお誕生日を心からお祝いし、万世一系の皇統のありがたさに深く感謝したい。

 さて、表題に記した「核の傘」について述べておきたい。
十二月二十二日の朝刊各紙は、同日付けで外務省が公開した外交文書を一面で報道していた。
 それは、中国が昭和三十九年(一九六四年)十月に核実験に成功して五番目の核保有国となった翌年一月、首相として訪米した佐藤総理がアメリカのマクナマラ国防長官に対して、日中開戦となった際には、先制攻撃を含む核による即時報復を要請していたというものである。佐藤総理が、前日のジョンソン大統領に対して、日本に対する「核の傘」を求めていたことは既に明らかになっている。
 その当時の内外の情勢の中で、アメリカに対して、核の傘を求め、さらに、その先制使用を促しているなど、高く評価したい。
 対米戦争が終わって二十年、その時代を生きた明治生まれの佐藤総理には、今の政治家にない迫力があった。
 航空幕僚長に、「日本はいい国だ、侵略国ではない」とあたりまえのことを言われて慌てふためく今の政治家とは全くスケールが違う。

 この佐藤総理の対米要請に、迫力があったのは、中国の核実験を受けて日本が核武装に進むか否かの選択枝が日米双方に見えていたからである。
 マクナマラ長官とのやりとりを見れば、佐藤総理は、フランスのド・ゴール大統領の名前を出して彼のような考えをとらないと言っている。つまり、佐藤総理には、日本もフランスのように自ら核を保有する道もあると意識していたということである。さらに、固唾をのんで日本が如何に進むかを注視していたのはむしろアメリカだった(アメリカは今も固唾をのんで日本が核保有に進むかどうかを注視している)。
 従って、このような情況の中であるから、我が国総理は、核を自ら保有しないと発言してアメリカを安心させながら、アメリカに中国に対する核の先制攻撃を含む報復措置を要請出来たのである。
 もっとも、もし、その報復措置(核の傘)をアメリカが認めなければ、佐藤総理はド・ゴール大統領の考えを採用すると発言する覚悟はあったのかどうか。これが分からない。しかし、分からないところがアメリカに対する佐藤総理の迫力であったのかも知れない。
 これが、中国が核実験をした直後の我が国総理の決断である。つまり、佐藤総理の発言にある「ド・ゴール大統領のような考え方」と「核の傘」の選択肢の中で佐藤総理は、「核の傘」を選択したのである。
 これが、一九六五年の話。それから、四十四年。情況が同じならともかく、情況の変化があるならば、現在の情況に応じて再び、現在は何れの選択肢が我が国の核からの安全を確保するか考えねばならない。即ち、我が国は、現在の情勢においては、「ド・ゴール大統領のような考え方」と「核の傘」のどちらを選択すべきなのか。

 まず、ド・ゴール大統領は、佐藤総理が会ったジョンソン大統領の前任者であったケネディー大統領に何を言ったのか。
 ド・ゴールは、アメリカは自ら核攻撃を受ける危険を承知でフランスを核攻撃から守れるのか、とケネディーに迫った。つまり、アメリカのフランスに対する「核の傘」は、有事に有効なのかと迫ったのである。
 ここで注意しなければならないのは、佐藤総理がアメリカに要請したのは、アメリカが中国から核攻撃を受ける危険のないときの「核の傘」である。しかし、ド・ゴールがアメリカに確かめたのは、アメリカがソビエトから核攻撃を受ける危険があるときの「核の傘」である。当時のソビエト軍首脳の発言。
「ソビエトの指導者は、制約のない全面核戦争の用意がある」(一九六二年、ソコロフスキー元帥)
 そしてケネディーは、ド・ゴールに「イエス」と答えることが出来なかった。ケネディーは顔面蒼白になったとも伝えられている。従って、ド・ゴールはフランスの核保有に踏み切っていく。

 そこで、中国の核実験成功から四十四年後の現在、東アジアの情勢は如何に変化したのか。
 中国は、軍事大国として百発以上の核弾道ミサイルを我が国に向けて実戦配備している。そして、アメリカ本土に届く大陸間弾道ミサイルと潜水艦発射型の弾道ミサイルを保持している。また、北朝鮮も核実験に成功し、今も核開発を続けている。
 つまり、現在アメリカは、中国の核弾頭ミサイルにより核攻撃を受ける危険がある。ちなみに、かつてのソビエトと同様に、中国は何を言っておるのか。
「中国は西安以東の大多数の都市の破壊を覚悟しているが、米国も、西海岸の百から二百の都市の破壊を覚悟しなければならない」、
「米国に対しては、その十分の一の核戦力で十分である。日本、台湾、東アジアは人口密集地域であり、人口消滅のための核攻撃の目標である」(以上、二〇〇五年七月、国防大学防務学院長、朱成虎中将)
 では、以上の状況変化を踏まえて、ド・ゴールのケネディーに対する質問に戻り、それを東アジアに当てはめよう。
「アメリカは、自らが核攻撃を受ける危険を承知の上で、日本を守るために中国に対して核による先制攻撃を仕掛けることができるのか」。
 答えは明白であろう。この質問に対して、アメリカは、今もド・ゴールに対するケネディーの答えしか出せない。
 よって、我が国の総理大臣は、今こそ、佐藤総理の言う、「ド・ゴール大統領のような考え方」を決断せねばならないのである。このド・ゴールは、これからは核を保有しない国は独立国としての扱いを受けられない、と考えていた。我が国が、この先、独立国としての扱いを受けるという保障は、軍備拡張の著しい東アジアにおいては何処にもない。
 我が国は、ド・ゴールのように考えねばならない状況下にあり、自ら核抑止力を保持しなければならない。つまり、核を我が国に落とさせない力を保持しなければならない。これが、我が国が独立国として平和を確保する為の決断である。
 従って、総理大臣は、アメリカ大統領に対して、次のように要求すべきである。
「四十四年前には、我が国総理はアメリカ大統領に対して、『核の傘』を要請した。
 しかし、ご承知のとおり状況は変わっている。
 従って自分は、アメリカの『傘』ではなく、アメリカの『核』そのものを我が国に貸し出すように要求する。
 アメリカがこの核を貸し出すことが困難なら、日本国民の安全を確保する責任を果たすために、我が国独自で直ちに核を開発することになる。」

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