大阪堺市出身!国家の安全保障や国益優先の信念を貫く行動派!

日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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西村眞悟の時事通信
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北朝鮮の核開発と拉致被害者救出の重大局面

平成20年12月1日(月)

 今日は、十二月一日。早朝街頭に出てから既に二ヶ月が経った。その街頭で、私は何を訴えてきたのか。
 その訴えの大きな柱は、「北朝鮮による拉致被害者の救出」である。拉致被害者救出の国家的課題が、通勤を急ぐ人々の心に響き、その願いが大きな国民の力になってくれよと念じながら、
「北朝鮮に拉致された人々を救い出すことができる強い日本を創りましょう」と訴えてきた。

 福田総理大臣の退陣と九月二十四日の麻生総理大臣誕生から現在まで、未曾有の世界的金融危機といわれる中で、国内では解散風が吹いていた。従って、我が国のマスコミが扱うニュースは、おおむねこの二つの話題に集中していたと思う。
 その間、金正日が脳梗塞で倒れたということと、十月十一日に、アメリカ政府が北朝鮮のテロ支援国家指定を解除したというニュースが北朝鮮関係としてマスコミに登場した。
 また拉致被害者救出問題では、鹿児島の拉致被害者である市川修一さんのお母さんが十一月十五日に、息子の救出を待ち望みながら亡くなったことが報道された。この日は、三十一年前に、横田めぐみさんが北朝鮮に拉致された日であった。
 
 このようなマスコミ報道の流れの中で、我が国の政界の関心は何処に集中していたのかと言えば、もちろん解散である。
 我が国においては、政治とは政局のことであるとする風潮が支配的である。この風潮の中で育ってきた者は、実は、拉致被害者救出も核兵器からの安全も国防も外交も、考えてはいない。我が国の政治には、政局があり他は「空虚」なのだ。そのことは、数日前の思わせぶりな「党首討論」が何よりも明らかにしていた。
 我が国では、この「党首討論」当事者のように、政局のことしか考えないのが大物政治家らしい。
 これはまるで、政界のホリエモンである。一株でも多く買収すれば企業を乗っ取ることができる。これが経済界のホリエモンの考え。同様に馬鹿でもなんでも、一人でも多く議員をとれば国を乗っ取ることができる。政界ホリエモンは、こう考えているのであろう。経済ホリエモンが企業買収に興味があり、何を創るかに興味がなかったように、政界ホリエモンも政局にしか興味がないのであろう。私などから観れば、同じ野党といっても、よくもまあ、共産・社民と共同歩調がとれるものだと思うが、ホリエモンとは、内容より株の数か頭の数を考えるだけだ。

 さて、この解散風の中で、政界の「政局パラノイア」が考えない国家的課題について指摘しておかねばならない。
 船に例えるならば、政局とは船員室内の主導権争いであるが、この国家的課題は船の底板に大穴が開くか否かの問題である。即ち、政治が国家と国民のためにあるならば、まず国民の命を守るために取り組まねばならない問題である。

 まず、拉致問題である。夏の洞爺湖サミットの前に、北朝鮮は拉致被害者の再調査を約束した。しかし、九月には、再調査の調査委員会の立ち上げをしないと回答してきた。サミット前の北朝鮮の約束に際して、拉致議連は北朝鮮が速やかに再調査を開始しないならば、この約束は「時間稼ぎ」のための虚偽の約束(即ち嘘)だから、速やかに制裁強化に進むべしとの決議を行った。
 今振り返れば、サミット前の北朝鮮の約束は、完全に「時間稼ぎ」の嘘であった。
 では、その嘘は、なんの為の時間稼ぎであったのか。それは、サミットの主催国である日本と参加国に対北朝鮮強硬姿勢が出ないようにしながらアメリカの北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除の動きを加速させる為である。
 また北朝鮮は、拉致被害者を出している日本に、北朝鮮の拉致被害者再調査約束の見返りに対北朝鮮制裁緩和の表明をさせた。そして、北朝鮮は、この日本の制裁緩和の表明をテコにして、アメリカのヒル国務次官補がアメリカ国内においてテロ支援国家指定解除への動きをとりやすいように仕向けた。
 結局、十月十一日、ブッシュ政権は北朝鮮のテロ支援国家指定を解除した。これは、日本をダシに使った北朝鮮外交の成果である。日本は虚仮にされたわけだ。
 ここにおいて、北朝鮮が仕組んだ嘘のからくりが明らかになったわけであるから、我が国は直ちに対北朝鮮制裁の全面強化に進むべきであった。
 しかし、我が国政界は、解散風のみに振り回されていた。

 次に、アメリカのテロ支援国家指定解除を得た北朝鮮は、アメリカとの間に如何なる約束をしたのか。それは、核計画の申告と検証の米朝合意である。
 例によってアメリカのヒル国務次官補が十月一日から三日まで北朝鮮に入り、北朝鮮との間で核の検証に関する米朝の合意ができたという。その合意の内容たるや、いやしくも日本の安全を考えるべき政治家が観れば背筋が寒くなる。
 一見北朝鮮の核施設への検証が合意されているように見える。しかし、北朝鮮が申告していない、つまり、隠してきた核施設への検証は北朝鮮の合意を条件にして検証ができるというものである。これはつまり、北朝鮮が明らかにしていない核施設への検証は北朝鮮の合意がないとできないという約束ではないか。
 アメリカの国務次官補のヒルは、こういう合意をしてテロ支援国家解除の口実としたのである。

 そこで、この米朝合意によりテロ支援国家解除を得た北朝鮮は今何をしているのか。
 それは、既に抽出してあるプルトニウムを原料として、未だ明らかにしていない核施設で核爆弾をせっせと製造しているのである。この核は、アメリカには届かない。しかし日本には届く。国務次官補のヒルも承知の上である。

 私は、以前に、六者協議というものは、北朝鮮の核開発を容認しながら、日本には金だけ出させて対抗措置をとらせない国際的枠組みであると書いたことがある。その通りになってきている。
 六者協議とは、日本にとって、敵が圧倒的な力を保持するまで敵を援助し続ける枠組みである。今それが実証されつつある。
 こんな馬鹿らしい体制に従う必要はない。

 さて、国務次官補のヒルの野心が北朝鮮との間で以上のような米朝合意を作ったうえで、それを来る十二月八日に、北京で六者協議を開いて日本を含む六カ国の多国間合意にしていこうとしている。
 そこで、我が国は如何なる態度に出るべきか。これが今、麻生総理に突きつけられた課題である。
 結論から言う。我が国は、全面拒否の態度を貫かねばならない。 事実上終わっているブッシュ政権のなかで個人的な野望実現のために功名を得ようとする国務省のヒルに付き合う必要はない。
 むしろ、次のオバマ政権に対する日本の明確なメッセージとして米朝合意拒否の態度を明確にすべきである。
 
 これに対して、国内からもアメリカからも「国際的に孤立する」というようなもっともらしい意見が出る。
 しかしこれは国際的孤立ではない。
 自国と自国民を救うための国民国家の当然の態度である。拉致被害者を再調査すると騙し、我が国に届く核開発を続ける北朝鮮を我が国が容認できると思うほうが馬鹿である。
 そして我が国は、明日から全面的制裁強化を実施すべきである。
 
 また、昨年暮れにアメリカ大使館の役員が拉致議連幹部を説得しようとしたのは次の理屈であった。
「この米朝合意を受け入れることで、北朝鮮の核から安全になるではないか。拉致問題にこだわって核による甚大な脅威を受けるようになってもいいのか」
 これに対しては、次のように反論しなければならない。
 「核の問題より拉致被害者救出が優先する。
 核の脅威に対しては、我が国は対抗手段として強力な抑止力を直ちに保持することができる。現にアメリカは自国のために長年核を保持してそれを実践してきたではないか。
 これに対して、拉致されて数十年も経つ日本国民の救出は、一刻を争う課題である。今北朝鮮に圧力を加えなければ、被害者を解放することができない。国民救出は、国家の一番重要な課題である。同じ民主主義国家としてのアメリカが、それも分からないとは言わせない。」
 また、はっきりと、
「そもそも、ヒルは自らの功名心の故か、北朝鮮国内に入って北朝鮮の核保有と開発を容認したではないか。
 この米朝合意を受け入れることそのものが、我が国が北朝鮮の核の脅威に一方的に曝されることである。
 従って、我が国は、拉致被害者を断固救出するという意思を明確にするためにも、また、我が国に脅威を与える北朝鮮の核を断じて容認しないという意思を示す為にも、米朝合意を容認することはできない。」

 最後に、麻生総理に言う。
 強大な国防力と核抑止力を持ち、自国民を断固として守る体制ができているアメリカだからこそ、
「馬鹿!経済だよ」(Stupid! It Economy.)というかけ声で大統領選挙ができるのである。
 国民が拉致されるまま長年放置され、核抑止力もなく、自国民と自国領土を断固として守る体制がない日本においては、
経済の前に、まず、断固とした国家と国民を守る決意の表明と力の保持が必要なのだ。
 従って、来るべき六者協議での我が国の態度表明は、麻生総理誕生以来の最大の決断を迫られる場面である。
 この決断は、IMFに対する十兆円投入を遙かに超えて我が国の国際的評価を左右する。むしろ、国際社会は、IMFへの十兆円投入だけでは、何の評価もしないであろう。金を持っているやつが出すのは当たり前だ、と思うだけである。これは、十年前の金融危機に際して救済された韓国の反応を思い返しても明らかではないか。
 我が国が、国際社会において、自国民救出と核抑止力獲得への強い決意を表明してこそ始めて国家としての正当な評価を勝ち取ることができる。
 そして、この日本国家の存在が、我が国経済をさらに強くするのである。いつまでも我が国がこの決意と存在感を示さなければ、テロの拡散と資源争奪段階に入っている世界情勢のなかで、我が国の経済も急速に衰退せしめられるであろう。経済も、「グローバリゼーション」が支えるのではない。強い経済は、強い国家とナショナリズムが支えるのだ。
 つまり、北朝鮮に拉致された自国民を救出し得る国家でなければ今の国民経済を維持することができないという時代に既に入っている。
 よって、拉致被害者救出こそ、あらゆる意味で国家再興のための中心的課題なのだ。
 胸にブルーリボンバッジをつけた麻生総理に、来るべき六者協議において、核の米朝合意を拒否したうえで、拉致被害者救出への強い決意を国際社会と北朝鮮に対して表明して頂きたい。

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