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日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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西村眞悟の時事通信
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政界の劣化、そのなかの、ニクソンの決断と麻生

平成20年10月29日(水)

 麻生総理は、解散せずという政治的決断をいよいよ表面に出したようだ。これに対して、民主党は、解散を前提にした「しゃんしゃん」の国会対策を変更し、昨年の福田・小沢の「大連立」頓挫後の国会対策、つまり、「牛歩無き牛歩戦術」に戻るという。ひょっとしたら、本当に「牛歩」をするかも知れない。

 この政界のなかで、昨年来、感じていたことを一言で言えば、「政界の劣化」だと思い至る。何故、劣化したのか。それは急転する世界情勢の中で我が国政界だけが「旧態依然」だからである。
 民主党の党代表とその取り巻きは、自分らが退歩・劣化しているとは思っていないだろう。しかし、世界が流れているときに、ぼーっと同じことをしておれば、全力で退歩・劣化していることになる。
 
 そもそも彼らは、インド洋の重要性を理解していない。これこそ、我が国に有害な無知、国家を崩壊させかねない無知である。
 我が国に石油が来なくなったら、如何なる窮地に陥るか。それは、昭和十六年(西暦一九四一年)に我が国に突きつけられた事態であった。
 
 現在の我が国は、必要な石油の九〇パーセント以上をインド洋を経由する海上輸送に依存している。従って、この海上輸送路は我が国の生命線である。生命線ということは、ここに我が国存続の正否が懸かっているということである。
 さらに、この生命線は、インド洋の平和に依存している。しかし、このインド洋の平和はもはや「ただ」ではない。パキスタンを含む多国籍海軍艦艇がインド洋の平和を維持している。
そして、この多国籍海軍艦艇の活動を、洋上補給という形で支援しているのが海上自衛隊の補給艦隊である。
 従って、インド洋における多国籍海軍と我が海上自衛隊補給艦隊は、一体となって「インド洋の平和つまり我が国の生命線」を維持しているのである。
 ところが、この活動も完全ではないのだ。インド洋西端のソマリア沖には海賊が盛んに活動して我が国のタンカーも海賊に乗っ取られている。戦車や大砲と弾薬を積んだ輸送船も海賊に乗っ取られている。
 そこで、NATO諸国はソマリア沖に海軍艦艇を出して海賊対策にあたることになった。従って、インド洋の平和が国家の存続に直結する我が国としては、このNATO諸国の行動に呼応して我が国が高い能力をもつ、P3C対潜哨戒機によるインド洋哨戒活動を開始しなければならない事態が既に始まっているのである。

 しかし我が国の政界には、この我が国「生命線の維持」に関する活動の継続を、「解散に追い込む国会対策の道具」としてしか認識する能力の無い者が存在して党代表に納まっている。彼らが我が国の「政界の劣化」を際だたせている。
 この者達によって、既に昨年末から年始にかけて、この我が国の生命線維持に関する活動には三ヶ月の空白が作られた。二度と同じことをさせてはならない。
 
 船場吉兆は、一度客に出した食材を他の客にも出して廃業に追い込まれた。これを「つけ回し」というらしい。
 一料理屋でも客のことを考えずに金儲けのことだけを考えれば廃業するのが当然となる。
 ましてをや、国家と国民の安泰を考える能力が無いにもかかわらず、「憲法違反」と称して旧社会党以来繰り返されてきた「党利」の為の国会対策手法をまた「つけ回し」すれば、国民から「廃業」の審判を受けねばならない。
 日本国民を舐めるなよ、と言っておく。

 さて、解散はしないと麻生総理が決断したのであれば、我が国のリーダーとして極めて適切な決断である。
 もちろん、総理周辺には、早期解散が「有利」であるとか、遅くなれば「不利」になるとかの意見がある。その中での決断である。また極めてまっとうな決断である。
 そこで、総理のこの決断に関して、本日早朝、浜寺公園駅前での挨拶の際、次の「ニクソンの決断」を思い出した。ここに記して、総理へのエールとしたい。
 
 ニクソンはカリフォルニア州知事選挙にも敗れていたが、不屈であった。再びアメリカ大統領選挙への立候補を決断する。しかしその後の数ヶ月の間、彼は政策作りに没頭した。
 当然、ニクソンの支持者と腹心は、対立候補の選挙運動が進んでいるのを観て焦りだし、速く選挙運動を開始しなければ不利になると盛んにニクソンに進言した。
 しかし、ニクソンは選挙運動へ入らずに政策への取り組みを止めなかった。そして、アメリカ大統領になった。
 後年、ニクソンは、この時期を回想して次のように述べた。
「私は、他の候補が、『如何にして大統領になるか』を考えていたときに、『大統領として何をするか』を考えていた。
この時の私の決断は、政治家として最も大切な決断だった」

 麻生総理は、まことに厳しい我が国内外の情勢の中で、「総理大臣として何をするか」を考えた。そして解散せずという当然の決断をした。
 従って、旧社会党に転ずる野党の馬鹿さ加減が際だってくるだろう。馬鹿な者が馬鹿に見えるのは当然ある。当然の決定には、このように当然の効果がある。

 さて、浜寺公園駅前で、「ニクソンの決断」という高次の話の他に、次のエピソードも思い出して一人にやにやしていた。
 その時私は、通勤客に挨拶を繰り返していたが、「西村です」という名前をほとんど言っていないのに気づいた。
 そして、ふと、京都の学生寮にいた時の大笑いをしたエピソードが思い出された。
 工学部の学生が、悲愴な顔をして試験がうまくいかずに単位が取れなければ卒業できないと当然のことを言ったので、では単位をもらえるように担当教官のところに挨拶に行ってこいということになった。
 そこで、その学生は一升瓶を二本くらいぶら下げて教授宅に行った。すると教授は酒を見て大歓迎、大喜びして酒盛りとなり、学生はぐでんぐでんに酔っぱらって寮に帰ってきた。そして作戦は大成功とご機嫌であった。
 翌日、起きてきた彼にある寮生が聞いた。
「ところで、おまえ、ちゃんと名前を言ってきたか」、
学生は答えた。「あー、しもたー、名前言うの忘れた」

 という話を思い出して、一人にこにこしながら今朝浜寺公園駅前に立っていた。
 この学生も、確か単位をもらって卒業していった。

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