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日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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教育そして軍事教練としてのだんじり

平成20年9月17日(水)

 九月に入ると、岸和田で「だんじり祭り」が行われ、たいそうな人出で岸和田の町はにぎわう。
 そして、十月の中旬まで、堺や泉州各地でだんじりやふとん太鼓を曳いたり担いだりする秋祭りが行われる。
この秋祭りは、各地区にある神社の神事・祭礼として行われる。まさに伝統的な行事である。
 言うまでもなく、これは日本全国津々浦々で行われる秋の行事であろう。秋祭りと言えば、マスコミで岸和田のだんじりがよく取り上げられ有名だが、村々の神社にはそれぞれ特色あるだんじりやふとん太鼓がある。
 共通なのは、あの重くて何とも動かしにくい彫り物をした木の固まりを、大勢の若者がかけ声と笛と太鼓に励まされて二、三日町内各地を引き回すことである。
 ここに、「日本の秋」がある。
 日本の秋には、月を愛で虫の声を聞く「静」と、賑やかにだんじりを曳きふとん太鼓を担ぐ「動」がある。

 さて、私の思いをまず言えば、このだんじりやふとん太鼓が各地で行われている限り、日本の未来は大丈夫ということである。
 このだんじりを曳くということには、学校の先生が逆立ちしてもかなわない教育効果がある。
 
 秋祭りのだんじり曳きには、幼児から中学高校生、そして青年さらに頭に白髪が交じる大人まで、あらゆる年齢層が参加する。そして、年齢により上下関係が形成され、先輩後輩の秩序と役割分担が明確となる。この世界では、だんじりでの上下関係が重要であり、他の社会的地位の上下は関係ない。会社の社長が自分の会社の社員の指揮下に入って働いているのがだんじりの社会である。
 例えばある子供が、あのだんじりの屋根の上で踊りたければ、小学生からだんじりの綱を引き、長年先輩の指揮下に入らねばならない。そして、青年になって抜擢されることになる。この間に、神事の礼儀作法も教えられる。
 地域における社会教育として、だんじりに匹敵する全人教育は無いであろう。
 事実、祭りに参加する青少年に非行はないという。

 次に、このだんじりを動かすとはどういうことなのか。だんじりは、倒れやすく、倒れれば死者が出る重い地車である。
 当然、これを引き回す時に重要なのは、役割分担と指揮命令である。
 一つのだんじりの五十メートルほどの二本の綱を小学生から高校生まで、二百人くらいが曳いていく。その周りを子供のお母さんがついて歩く。
 しかし、だんじりのエンジンとハンドル、そして、ブレーキは、危険なだんじりの周りにいる、屈強な七、八十名の若者である。彼らが笛と団扇の相図でだんじりを高速で走らせてカーブを切らせる。これを「やりまわし」という。
 この集団行動は、軍隊の一個小隊もしくは一個中隊の行動と同じである。
 従って、だんじりを全国津々浦々で曳いている以上、日本の若者は毎年軍事教練をしているということになる。
 
 この私の持論を確認するために、陸上自衛隊の幹部である、中隊もしくは連隊の指揮官にだんじりの「やりまわし」を観てもらった。新兵訓練を担当している中隊長は、だんじりの周りにいる若者を観て、「彼らは新兵訓練を終了した隊員と同じ顔をしている」と言った。また連隊長クラスの大佐は、彼らによる部隊は、「すぐ編成できる」とも言った。私の持論が確認された次第である。

 今日本の国防力は、予備役がなく、極めて脆弱に見える。
 しかし、我が国の秋祭りを観ると、我が国の歴史と伝統の中に、一旦緩急あれば、郷里と祖国を守る青年の底力が確保されていると秋になれば思う。

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