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日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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日曜日の拉致集会そして台湾の次期総統、謝長廷氏

平成19年12月17日(月)

 昨日の日曜日は、特定失踪者調査会が東京と大阪で同時に拉致被害者救出国民集会を開いた。東京にも大阪にも政府が未だ拉致被害者と認定していないけれども、調査によって北朝鮮に拉致された被害者だと思われる失踪者いわゆる特定失踪者の家族が参加した。驚くべきことに、この特定失踪者は現時点で四百七十名である(政府認定は十七名のみ)。
 私は、この東京と大阪の集会にはビデオでメッセージを送る形で参加させて頂いた。堺の泉ヶ丘の駅前の、同じ時刻に開会された拉致被害者救出のための街頭集会に参加したからである。
 この街頭集会には、隣の奈良から、奈良救う会の佐藤一彦会長が参加された。吉野の後醍醐天皇の御座所が吉水神社であるが、佐藤さんはそこの宮司さんである。
 また、堺市も参加し、市長の代理として理事で市民人権局の部長が参加してくださった。やっと、およそ人権局を持つ役所なら、具体的に何に取り組まねばならないかが明確になってきたなーと思う。今までは、北朝鮮による日本人拉致を、人権侵害問題だと捉える発想もなかった。市役所に、「差別をなくそう」という同和問題啓発の垂れ幕は下がっていても、「拉致被害者救出」の垂れ幕が下がっている自治体はない。無理もない、国にもその発想が無かったのだから。そして、人権擁護を職務と掲げる弁護士会も拉致問題を見て見ぬ振りで過ごしてきた。今やっと、このような奇妙な風潮がなくなってきつつあり、転換が起こってきたと感じられる。
 泉ヶ丘では、同時に拉致被害者の写真も展示された。めぐみさんと幼い弟とご両親の家族団らんの横田さん一家の写真は、何よりも雄弁に拉致が如何に酷いことか語っていた。
 この街頭集会を実施してくれた仲間同志と、寒いのに足を止めて参加して下さった多くの皆さんに心からお礼申し上げます。

 さて、堺の泉ヶ丘における拉致集会を終えた後、京都に走り、夕刻から京都大学医学部校内の会館で開かれる謝長廷氏の講演会に参加した。久しぶりに京大の周囲を走った。銀閣寺交差点の疎水沿いには、「ますたに」という小さなラーメン屋があるが、ここは四十年前の学生時代に、よく入った古いぼろぼろの畳に座って食べるラーメン屋だった。立て替えられてはいたが、古い畳があるのは昔のままだった。ここで、ラーメンを食べて腹ごしらえをして会場に入った。
 謝長廷さんとは、来年三月の台湾総統選挙における候補者である。前に、馬英九という中国国民党の候補者には会ったことがあるが、謝長廷さんは初対面であった。彼は、一九四六年五月台北生まれで弁護士、京都大学法学部に留学して法哲学を学んだ。
 
 何故、京都に行ったのか、それは、我が国の国益に重大な影響を与える台湾の総統選挙の候補者を見極めるためである。
 結論から言うならば、謝長廷氏が総統になれば、日本と台湾が核になって東アジアの自由と民主主義という安定と幸せを確保し世界に押し広げることができる。反対に、馬英九氏が総統になれば、台湾は中国に合体吸収される道に入り、我が国の存立が脅かされ、東アジアに中国的無秩序と独裁体制が広がる。

 来年三月の台湾の総統選挙は、中華帝国主義と海洋の日本及び台湾の「文明の衝突」であり、東アジアにおける台湾海峡を挟む「冷戦」に共産党専制か自由と民主主義かいずれが勝つかを分ける重要な決戦である。
 この結果は、我が国の将来に重大な影響を与える。
 従って、この選挙の候補者に関心をもっていたのであるが、私は正直言って不安であった。何故なら、中国国民党の候補者である馬英九氏は、台湾人ではなく中華民国人であり、言っていることは馬鹿馬鹿しかったが、香港映画に出てくるような長身の男前であるのに対し、謝長廷氏は、風采の上がらない小男に見えたからである。
 しかし、昨夜、彼の話を初めて聞いて安心した。人は見かけではない。民進党は素晴らしい台湾の候補者を出している。彼の話の格調から見れば、馬英九氏はホストクラブのホストレベルであった。
 この両氏の決定的な差は、祖国台湾を愛しているか否かによってもたらされている。政治家にとって、祖国への愛は不可欠である。謝長廷氏は台湾を愛している、馬英九氏は台湾を愛していない。彼は、台湾は中国の一部だと思っている。
 次に、昨夜謝長廷氏が語ったことと、懇親会で私が語ったことの一部を紹介したい。

 謝氏は、日本語でゆっくりと考え抜かれた言葉を語った。
 昭和四十七年、京都大学の法学部に留学した。アメリカ留学組が多い中で日本を選んだのは、両親をはじめとする世代の日本に対する強い愛着を感じて育ったからだ。金閣寺の近くの下宿に住み、大学に通った。私の反対派は、謝は京都でラーメン屋のバイトだけしていたように言うが、本当は勉強をしていた。法哲学を学んだ。
 京大でもっとも影響を受けた事件がある。その一つは、京大事件(滝川事件)であり、自由と民主主義は努力して獲得するものであることを学んだ。この京大事件を映画化した黒沢明監督の「我が青春に悔いなし」を感激して観た。
 もう一つは明治維新である。京都を舞台にした明治維新から、強いインスピレーションを受けた。従って、私は選挙公約を「台湾維新」としている。

 そして、謝氏は、昨夜の最重要の表明をしたのである。それは次の認識である。
 即ち、彼は言った。「台湾は既に国家なり」と。

 さて、私の懇親会でのスピーチ。
 謝長廷氏は、先ほど「台湾は既に国家である」との認識を表明された。まことに、この認識こそ、東アジアに平和と安定をもたらすものである。何故なら、仮に台湾が国家でなければ、台湾という島は、何処の国に帰属しているのか不明の地となってしまう。つまり、無主の土地である。こうなれば、国際法上、「無主物先占の法理」により、中国共産党は堂々と合法的に台湾占領に着手することが出来るのである。
 従って、このような中国の行為を許さない「台湾は国家なり」との事実認識を示された謝長廷氏に日本人として感謝する。
 では、何故台湾は国家なのか。それは、台湾が自らの総統を国民の選挙で選んでいるからである。来年三月の総統選挙は、台湾が国家である証である。
 しかしながら、中国国民党の候補者馬英九氏は「台湾は独立しない」つまり台湾は国家ではないという、中国の一部であるという。
 ということは、馬氏は台湾が国家である証を利用して台湾を否定しようとしているのである。これは、ワイマール憲法の民主的手続を利用して独裁体制を築いたヒットラーと同じではないか。いや、もっとひどい裏切りである。ヒットラーはドイツを否定したのではない、愛していたのだ。
 しかし、中国国民党の馬氏は、台湾を否定するために台湾の総統になろうとしている。このような、自由と民主主義の裏切り否定を日本人は台湾と共に許すことは出来ない。

 懇親会後、二十歳前後の京大山岳部時代に、五百円で腹一杯食べて飲ましていただいた、川端二条の「赤垣屋」に行ったが、日曜日で閉まっていた。
 やはり、学生時代を過ごした京都は離れがたく懐かしい。
 謝長廷さんも、学生時代と京都が懐かしいから、日本訪問の第一番の立ち寄り先として、京都を選んだのだろう。
 謝長廷氏の総統当選を切に願う。
 日本人として、何が出来るかを考え工夫しよう。
 謝長廷総統が誕生すれば、李登輝先生に続いて、京都大学出身者として二人目のプレジデントが誕生することになる。

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