大阪堺市出身!国家の安全保障や国益優先の信念を貫く行動派!

日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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西村眞悟の時事通信
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必ずや名を正さん乎

平成18年12月9日(土)

 この度の臨時国会も終盤にきた。色々な課題が見えているが、そのなかで、私の所属する安全保障委員会における「防衛省設置法案」に関して次の通り述べておきたい。

 防衛庁が省になることは、私の長年の望みであり、その為に微力を尽くしてきたつもりだ。そして、この度、防衛庁が防衛省になることがほぼ確実になった。もうすぐ参議院で決議されれば、防衛省が実現する。

 では、何故私は、防衛庁を省にすることを望んだのか。
それは、国家における国防の重要性に鑑みれば、それを庁で担当などさせられないからである。
 国家行政組織上、外交を外務省が担当し、国民の医療を厚生労働省が担当するならば、国家と国民を守るという至上の使命を担当するのは国防省であろう。これは、自明のことではないか。
 しかるに我が国は、一貫して国防を省ではなく庁で担当させてきた。これで平気でいられたのは、国家防衛をアメリカに全面依存して政治家が思考を停止していたからである。
 従って、防衛庁つまりエイジェンシーという名を眺めるだけでも、戦後の我が国政治の、独立国家の本質から目を逸らした欺瞞やいい加減さが感じられて正直いやだった。
 そこで、庁から省になるのは、庁のままよりはよかった、ということを前提にした上で、さはさりながら、このままではなおダメなのだと、名を正すという観点から述べておきたい。

 論語の子路編に、子路が孔子に、衛という国の国主が先生に政治の責任者に為ってくれと頼んだら、先生は先ず何からされますか、と尋ねる場面がある。これに対して孔子は答えて曰く、
「必ずや名を正さん乎」
則ち、まず名称を正しくすることが政治の要諦であると孔子は言うのである。何故なら、「名正しからざれば、則ち言順わず。言順わざれば、則ち事成らず」となるからである。

 この観点から、この度の防衛省という名を観れば、先ず、国防という至上の任務に対応した名ではないのは明らかであろう。
 あらゆる組織は防衛をする。学校も企業も個人個人も正当防衛ができる。しかし、国家が担うのは、国家を守る事、則ち国防だけである。つまり、防衛という言葉は国家の防衛を必ずしも意味しないが国防という言葉は、端的に国家の防衛のことだけを意味する。
 よって、この度国防省とせずに防衛省に止めたことに、未だに国防に正面から向き合わない半人前政治の姿が如実に顕れている。

 次に、「省」である必要があるのは、それが「名を正す」ことに他ならないからであるとするならば、さらに、自衛隊という名を正して、陸海空軍という軍隊にふさわしい名を付さねばならないのではないか。そして、例えば、一等陸尉を陸軍大尉に、普通科を歩兵に、護衛艦を戦艦や駆逐艦にと名を正さねばならない。
 プーシキンの小説に「大尉の娘」というのがある。それを「一尉の娘」と呼び変えてみれば、現在如何におかしな言葉を使っているか明らかであろう。
 また、御殿場での富士総合火力演習の時、状況の説明に際して「敵歩兵の攻撃に対し、我が普通科が反撃します」というような場内アナウンスがある。「馬鹿、歩兵と言え」と思わずやじりたくなる(やじった)。
 何故、この様に現在の名に違和感があるのだろうか。
それは、現在の名が、国防という任務を担う実力組織にふさわしくないからである。そして、孔子が言うように、この名が任務に合致しなければ、結局、則ち事成らずで、国防が成らなくなる。

 ここで、既に明らかであろう。
名を正すには、政治に決断がいるのである。その決断とは、何か。政治は今まで如何なる決断を回避してきたのであろうか。
 それは、政治の最重要の任務は、国防であること、そして、国防という任務を果たすために国家は軍隊を保持するものであるということ、この決断が今無いのである。そして、省だけができたということになる。

 よって、我が国政治が、先ず名を正すべき第一の着手点は、自衛隊を軍隊にすることである。この第一の決断が成れば、あとは既に掌中にある。
 自衛隊が、陸、海、空軍となり、この実力組織が国防という任務を果たすものとするならば、この任務に対応する行政組織がエイジェンシーではなく独立した国防省もしくは国防総省であることは当たり前であろう。
 従って、この度の改正は、この第一の決断を回避して、庁を省にレッテルの張り替えをしたに過ぎない。
 
 自衛隊が軍隊という名を回復せずに、役人だけが庁から省に移っても仕方がないではないか。軍隊があるから省が必要になるのであって、省はあるが、軍隊の名が無くて、則ち軍人がいなくて国防ができるのか。
 結局事成らずに終わるのではないか。
 ともあれ、繰り返すが、庁のままよりは省の方がましだということで、法案成立となる。戦後政治はずるいなあと思ってしまう。そこで、この不本意な現状を前提にした上で、次に為すべきことを提示したい。
 
 それは、自衛隊の統合幕僚長は勿論であるが、陸海空の各自衛隊の長や各方面総監や例えば首都防衛の任務をもつ主だった師団長そして自衛艦隊司令官等の幹部自衛官を、「認証官」にすることである。
 認証官とは、天皇陛下の面前で任務を付与される官職で、憲法七条により、「国務大臣と法律で定める官吏」が認証官とされている。そして、法律は現在、例えば特命全権大使・公使や検事総長・次席検事・各高検長官また最高裁判所判事などを認証官と定めている。
 
 これらの現在法律で認証官とされている官吏と対比して考えれば、そもそも、これらの官吏が働ける前提となる国家の存在そのものを命をかけて確保し維持することを任務とする実力部隊の長や幹部が、認証官にふさわしいのは当然であろう。
 このように、幹部自衛官が認証官になることにより、軍令(部隊の指揮命令系統)と軍政(軍事に関する行政)の区別が明確になり、国防の任務を完遂するための国家体制における秩序が定まるのである。
 自衛官を認証官とすること、これ、実は国家の在り方そして国防上の大切な一点である。

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