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日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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西村眞悟の時事通信
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拉致被害者救出の為に

平成18年11月4日(土)

 この度、警察当局は、曽我ひとみさんと母のミヨシさんを拉致した犯人の一人として、キム・ミョンスクという女工作員を特定して逮捕状を取り指名手配した。

 この指名手配に関しては、北朝鮮の六カ国協議復帰と関連してマスコミで様々に解説されている。解説は、そうなのであろうが、ここでは、別の角度からこの指名手配の投げかけるものについて述べてみたい。

 思い返せば、昨年の十二月は、横田めぐみさんの遺骨として北朝鮮が我が国に渡した骨が、偽物であったことが判明してから一年目であった。一昨年の十二月二十四日、当時の官房長官が、北が誠意ある対応を速やかにとらなければ「厳しい対処をする」との声明を発して制裁発動を予告した。北朝鮮の醜い卑劣な手口に騙されたのであるから、当然の声明であった。

 ところが、この制裁発動予告から六ヶ月が過ぎても小泉内閣は何もしなかった。そこで、六月二十四日から三日間、首相官邸横の議員会館前で、拉致被害者家族会などが座り込みをして速やかな制裁発動を要求した。しかし、拉致問題は無視され続けて政治的関心は郵政民営化に集中されて六ヶ月の節目は徒に過ぎ去っていった。
 そこで、制裁予告から一年が経過する昨年十二月になっても未だに内閣が制裁を決断しないのならば、全国各地で制裁発動を求める国民集会を挙行することになった。
 そして、現実には、内閣が制裁の気配も見せない中で、制裁を求める国民集会は大きな盛り上がりをみせてきたのである。

 では、その国民的関心の盛り上がりの中で、どういう動きがあったかと思い返してみよう。
 唐突な感じの日朝実務者協議があった。そして、シン・ガンスという大物工作員等がほぼ全ての拉致に関わった中心的人物・諸悪の根元のように俄にマスコミでクローズアップされ指名手配された。
 
 さて、この時、私と仲間は何を感じていたのか。それは、拉致問題の幕引きと被害者切り捨ての動きである。
 即ち、シン・ガンスという諸悪の根元に仕立てた人物を、北朝鮮が我が国官憲に引き渡せば、首領様の認めた日本人拉致に関して北朝鮮が最大の「誠意ある対応」を示したことになり、日朝友好ムードが醸成され、これを以って日朝国交樹立の「障害」は取り除かれたことになる、
・・・このシナリオを断じて進行させてはならないと、我々は警戒したのである。

 さて、この度のキム・ミョンスクの国際手配であるが、言うまでもなく、核実験による北朝鮮の国際的孤立と制裁への動きのなかで起こっている、つまり、北朝鮮に圧力がかかっている点が、シン・ガンスの時と似ている。
 さらに注意すべきことは、我が国警察が逮捕状を取る容疑者はキムであれシンであれ、皆北朝鮮にいるということである。
 言うまでもなく、逮捕状を取れば警察は容疑者を捕まえなければならない。しかし、これは容疑者が国内にいるときであって、北朝鮮におれば、逮捕状を取るだけで我が国警察の仕事は終わる。そして、北朝鮮が容疑者を我が国に引き渡せば、北朝鮮が「誠意」を示したことになる、つまり、我が国は北朝鮮に借りを作ることになるのである。この点も、シンとキムの共通点であろう。

 次に、シンの場合もキムの場合も、何故今までかかるのか、いかにも遅いではないか、と感じる。シンは、十数年前に韓国で裁判を受けて服役している。その時に拉致実行犯だと判明しているのだ。また、この度のキムも、曽我ひとみさんが帰国した直後に、その供述から判明するはずだ。
 考えてみれば、警察は未だ、帰国した被害者立ち会いの上で、犯行時の綿密な実況見分をしていない。しかし、拉致が犯罪である以上、この被害者立ち会いの実況見分と被害者からの綿密な事情聴取は、警察の最重要の職務である。そもそも実況見分をしないまま、この度のように逮捕状を取れるのか疑問である。

 拉致問題の背景には、我が国の政界をはじめとする社会内に深く及んでいる目に見えない北朝鮮の工作活動網が存在するが故に、以上の通り、要警戒点を指摘した。
 その上で、また、それだからこそ、ここに至った警察組織の地道な努力に感謝して敬意を表し、さらなる努力をお願いしたい。

 次に、昨年末のシン・ガンスとこの度のキム・ミョンスクの指名手配で、もはや誰の目にも明らかになってきたことは、彼ら工作員の活動をサポートしバックアップする組織が我が国国内に存在するということである。
 そして、この国内組織の全容解明こそ拉致問題の本質に肉薄する作業であり、この作業を抜きにして我が国の再生と将来の安泰はない。
 
 十数年前に、シン・ガンスが韓国で裁判を受けていたとき、その助命嘆願書に署名してこの北朝鮮工作員を助けようとした我が国の国会議員は大勢いる。
 また、金正日が拉致を認めるまで、拉致はでっち上げだ、コメを北朝鮮に贈れといっていた有力な政治勢力がある。
 さらに、我が国総理大臣が、こともあろうに、如何にして朝鮮総連の大会に祝賀メッセージを送るようになったのか、極めて不可解である。

 これらの問題を数え上げていくと、結局、我が国家を国家たらしめる体制が欠落していて、その中で拉致が行われ隠蔽されてきた、スパイ防止法をはじめとする法制がどうしても必要であるという問題意識に突き当たるのである。この実現が、我々の緊急課題である。

 さはさりながら、現在の我が国の国会議員の意識レベルはご覧のとおりである。北朝鮮に核実験をされても、核についての議論はけしからんと合唱して、中川政調会長(拉致議連前会長)の正論を封殺しようとしている。スパイ防止法をはじめとする外国の工作活動を撲滅する法制はない。
 この手足を縛られたなかで、警察は、拉致の捜査を進め普通の「犯罪捜査」の手段のなかで努力を重ねてきた。むしろ、逆風の中での歩みである。
 しかし、それを承知の上で、さらに要望したいのは、今度は、国内にいる拉致犯人・幇助組織を突き止めて逮捕状を獲得されたいということである。そうすれば、北朝鮮の「誠意」とは関係なく、すぐ犯人を逮捕し、全容解明の突破口を開くことができるではないか。

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