大阪堺市出身!国家の安全保障や国益優先の信念を貫く行動派!

日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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西村眞悟の時事通信
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夏の終わりと現在の憲法議論について・・・条文解釈の前提としての私の防衛ドクトリン

平成16年9月5日(日)

 予期しえない軌跡をたどる台風と残暑、さらに浅間山の噴火、お見舞い申し上げます。
 天道と人道の係わりについては、昔の人の知恵に学ばねばなりませんが、感受性乏しく浅学非才の私は、どなたかその知恵を伝えもつ方にお教えを請いたいと思っています。

 八月末には、例年恒例の御殿場での陸上自衛隊による富士総合火力演習を友人仲間とともに見学しました。
 当日は雲量多く、戦闘爆撃機の飛行と空挺部隊の降下訓練はありませんでしたが、有意義な演習でした。

 その演習場で、声をかけてくれた二人の美しい方が、この「時事通信」を読んでいると言って、共に写真を撮ろうと誘ってくれました。
 文豪の夏目漱石も、本屋で自分の本を読んでいる人を見て、理屈なく嬉しかった、と述懐しています。
 漱石もかくのごとし、ましてをや、この無粋な私においてどれだけ嬉しいか、お名前をお訊きすることかないませんでしたが、声をかけていただいてありがとうございます。

 九月四日は、横須賀の戦艦三笠艦内で、日露海戦の慰霊祭と研修会を行い、終了後、帝国海軍軍人ゆかりの料亭「小松」で東郷元帥の掛け軸を眺めながら夕食をいただきました。
四百名の同志が全国から参加してくれました。
特に北方領土を抱える北海道と来年日本海海戦百周年を控える対馬、長崎からの参加者を交え、戦艦三笠と東郷元帥のラベルを貼った銀河高原ビールで乾杯したのでした。

 さて、以下からは、この夏の終わりに報道されてきた「憲法論議」について、所見を申し述べます。

・・・・・・・・・・・・・・

 民主党の党首選挙にからんで、国連待機部隊を創設して国連決議があれば、海外で武力行使を行う事が可能であるという論者と憲法を改正してそれをするべきという論者がクローズアップされている。
 自民党内でも、アメリカのアーミテージ国務副長官が、日本の国連常任理事国入りに関して、憲法九条改正に言及したことから憲法議論が起きている。

 そこで私は、これらの議論を眺めながら、次のように思ったわけである。

 国連待機部隊創設論も常任理事国入り論も、論者は、そこにいく前の基本としての
「我が国の自衛権とそれを実効あらしめるための国防体制」
について、何も語っていない。従って、論者は、従来の憲法九条の「政府解釈」を自明のものとして受け入れた上で、国連待機部隊構想にまで議論を進めていると考えられるのである。

 しかし、自国防衛の基本から見るならば、国連待機部隊創設などは枝葉の議論である。そして、今こそ、基本の自国防衛の土台を語らねばならないのだ。
 政治家が、ここで不作為を決め込み、従来の憲法解釈を踏襲して「何も足さない、何も引かない」のモルツを作る酒造会社のような態度であるならば、その怠慢は犯罪的である。
 何故なら、今に続く政府の防衛思想は絵に描いた餅で役に立たないどころか、国民に多大の惨害を与えるからである。

 いやしくも、憲法議論というならば、従来の憲法九条政府解釈に点検を加え、ありうべき国防思想と国防体制を把握した上で、「改めるべきはここだ」と指摘するのが政治家の態度ではないか。
 そこで、憲法論議の前提としての我が国の国防体制について、以下、簡略に語りたい。

1、国境線と国防線は一致させてはならないということ。
 まず第一に、我が国は海洋国家である。
 では、海洋国家における「国防線」は、どこであるか。
 それは、海洋における我が国と大陸との中間線のさらに向こう側である。さらに、大陸の陸上における敵基地(港湾とミサイル基地)の周辺である。
 同じく海洋国家であるイギリスの防衛ライン「国防線」をイギリス人は如何に語ったか。スペインの無敵艦隊に勝ったイギリスの提督は、
「イギリスの防衛ラインは、我が国の海岸ではなく、海峡の中間線でもない。大陸側の敵の港の背後である」と言っている。
 十九世紀後半、二十歳代の長い期間に、イギリスに留学した東郷平八郎が、日露戦争において敵艦隊の基地である旅順要塞攻撃を強く陸軍に求めたのは当然であろう。この陸海を視野に入れた東郷提督の態度は防衛の任に当たる軍人として常識的で極めて真っ当である。

2、ところで、我が国の戦後歴代政府の憲法解釈に基づく防衛思想は何であるか。
 それは、「専守防衛」というものである。
 つまり、相手の攻撃があってから防衛に立ち上がるというもの。しかも、その相手側の攻撃が、我が国内に行われたときに我が国内で防衛行動に入るのである。
我が国の防衛ラインを、国境線の内側とするのが「専守防衛」なのだ。
 よって、我が国政府のもつ「専守防衛思想」とは、国内に攻撃があり被害が発生した場合に(つまり、国民の一定数が殺されてから)、国内を戦場にして防御するというもので、全国土で「本土決戦」、つまり「沖縄戦」を展開するというものである。
 
 一億二千万人の住む狭い国土を戦場にすれば、一般住民の被害は如何に悲惨な拡大をみせるか、想像力が乏しくとも分かるはずだ。各所で、チェチェンゲリラによる学校占拠のような惨害が繰り返される。そのとき国民はどうすればいいのか。
 時々、テレビタックルに「竹やりを持って守る」と真顔で語る「けったいな」評論家がでるが、これは、馬鹿だが正直なのだ。ミサイルを持つ相手に竹やり・・・そのような悲惨極まる「狂乱」しか残されていないからだ。
 しかしそのような事態になって、そもそも国民は、自衛隊は国民を守っていると思うだろうか。ロシアのテロリストによる学校占拠事件で泣き叫ぶ母親は、ロシアの軍隊が我が子を守ったと思っているだろうか。答えは明らかだ。
 では、これは「防衛思想」ではなく、防衛放棄の思想ではないか。
 防衛行動ではなく、自暴自棄の「本土決戦」ではないか。自衛隊を持たずに竹やりをもとうという評論家と、五十歩百歩どころか、同じなのが我が政府である。
 現在の日本国政府は、防衛思想を持っていない。放棄している。

 防衛ラインを国境線の内側に想定する政府の「専守防衛」とは、このような「防衛」なのだ。国民を何と思っているのか。政府に国民の命を守る気はあるのか。
 そして、この防衛思想が主流でまかり通っているのが我が国政治の次元だ。
 このような防衛思想の欠如というべき怠慢を放置して、「国連警察軍」が議論されている異様さに気がついてもいい頃と思うのだが。

 また、このような「防衛状態」を前提にして「有事法制」を整備すると喜んでいる者がいるが、この「専守防衛状態」とは、「法制」など消し飛んでいて無秩序・狂乱状態なのだ。無秩序の中で「有事法制」など、機能するものか。オトトイ来いだ。

3、私は、国民の一人としても衆議院議員としても、この従来の防衛思想を容認できない。
 よって、次のような防衛思想を具現化しうる憲法解釈に転換すべきである。

「我が国の防衛ラインは、国境線ではない。海の向こうの敵基地とその周辺海域が我が国の防衛ラインである」

 従って、この防衛ラインにおける祖国防衛を可能とするために、自衛隊・国防軍を「専守防衛」体制から真の国防軍に転換再編しなければならない。

 その根本は、
「断じて国内を戦場にしてはならない」
 という基本ドクトリンである。
 つまり、国民を一人も国内で失ってはならないのだ。
 
 よってまず、海軍を主体にして現在の本土防衛用の陸軍を遠征軍つまり敵基地を征圧できる海兵軍に再構築する必要がある。
大陸内部に攻め入って軍政を実施するような陸軍を持つ必要はないが、我が陸軍は海軍と協働して「海を渡る」陸軍でなければならない。海を渡ってくる敵を国内で迎え撃つ陸軍であってはならない。
 そして海軍は、広大な海域と空域を機動力を持って制圧でき、大陸側で敵を撃滅できる海軍でなければならない。
 空軍は、敵基地を撃破できなければならない。

・・・、・・・、・・・。
 何故、このような議論が現れないのであろうか。
 従来の「防衛放棄の防衛思想」を鵜呑みにしていると思われるほど、この基本の国防論に入らないでいながら、国連決議があれば海外で武力行使できるとか憲法を改正すればできるとか、
・・・奇妙な議論だなーと、戦艦三笠で考えていた。

・・・  ・・・

 なお、以上の私の国防論とその体制は、現在の憲法条文でも可能である。何故なら、憲法九条は「国家の自衛権」を否定していないからである。

 私は、あまり改正論に比重を移さない。何故なら、現憲法改正規定における改正は至難の事である。そのように占領軍司令官が現憲法を創ったのである。
 従って、改正すべきとばかり考えていると、改正するまで現行どおり、議論だけが続いている、と言う事になる。
 しかし、これは政治家の責任放棄である。
 政治家も軍人も、憲法が改正されるまで何もしなくてもいいのではない。議論を続ける事ではなく、与えられた現在の条件の中で、何をするかが問われているのだ。

 条文解釈など自由自在だ。その解釈の妥当性を見る基準は、現状に適合して合理的な解決に至るか否かである。弁護士とは、いや、法律家とは、具体的な事例の解決の為に、この合理的な条文解釈を見つけ出す事を仕事とする人種である。
 条文解釈は、主役ではない。主役は「社会正義の実現」である。その実現に奉仕するのが条文解釈である。よって、国家と国民を守ると言う正義実現の為に憲法の条文を解釈するのが責任ある政治家の仕事であろう。
 私は、与えられた現在の条件の中で、つまり、憲法改正なき今、私の国防論は即刻実現されなければならないと確信している。

 テロや他国による攻撃も、アメリカやロシア、また、イラクだけの出来事と思っていてはならない。
 東京を火の海にするという国、我が国に核ミサイルの照準を当てている国は、海の向こうにあるではないか。

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