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日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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西村眞悟の時事通信
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トランプに学び、外務省路線から決別せよ

平成30年7月5日(木)

先の時事通信と重複するが、
「月刊日本」誌に送稿した一文を次に掲載する。
これを書いていた時、
平成十四年の小泉純一郎総理と金正日委員長との日朝首脳会談の
下準備交渉をしてシナリオを書いていた、
外務省アジア大洋州局長田中均氏が、
東京の外国人記者クラブで講演して、
安倍総理の姿勢を批判し、
現在の「強行路線」から「宥和路線」に転ずるべきで、
平壌に拉致被害者情報等を収集する
日本政府の連絡事務所を設置して
色々な情報を北朝鮮からもらうべきだと述べていたようだ。

恐れ入った、これ、私と、まさに正反対の意見である。

さすが、外務省の日朝会談の実務主任であり、
同年十月に帰国した拉致被疑者五名を一週間か十日で、
北朝鮮に送り返す約束をして、
まさに、現実に、
日本に帰国して数十年ぶりに家族と会っている五名を
再び家族から引き離して北朝鮮に送り返そうとしただけのことはある。

もっと、彼に語らせよ。
そうすれば、平成十四年の日朝平壌会談が、
まず冒頭、日本が、
村山富市談話の通り謝罪し反省して
巨額の金を北朝鮮に支払う約束をしたうえで、
北朝鮮の「八名死亡」による「拉致問題終結」の嘘に乗って
彼と外務省に日朝国交樹立の功名をもたらすことを狙う「謀略」であり、
首相の小泉氏は、この「謀略」に乗っただけの人だった。
このことが明らかになる。
これを、「先行自白」という。


・・・     ・・・     ・・・     ・・・


六月十二日、
シンガポールにおいてアメリカ大統領のトランプ氏と
北朝鮮の金正恩委員長の米朝首脳会談が行われ、
翌朝十三日の新聞(産経新聞)の一面見出しにある通り、
「北、完全非核化を約束」、「米は体制保障表明」となった。
そして、その後は例によって、
連日、マスコミでは専門家の解説が、ああでもないこうでもないと続いて、
さて、今は、アメリカのトランプ大統領の「攻撃色」が薄れて
米韓合同軍事演習が中止され、在韓米軍の半島からの後退の流れが見えてきた。
しかし、非核化とは、
北朝鮮の非核化なのか朝鮮半島の米軍の非核化も含むのかが不明で、
さらに金正恩委員長が、
自国内の核を、何時から、如何にして非核化するのかが分からないという情況である。

その中で、我が国は、
シンガポールでトランプ大統領が金正恩委員長に、
日本人拉致被害者解放について話してくれたか否かに関心を集めた。
そして、話してくれたらしい、という前提で、
次は、安倍総理と金正恩委員長の日朝首脳会談で、「拉致問題の解決」が成る、
との期待が高まって総理もそのつもりでいるらしい。
しかし、北朝鮮の平壌放送は、六月二十六日の論評で、
次の通り日本を非難した。

「日本反動らは今日まで自らの過去の犯罪を謝罪し賠償するどころか、
逆にありもしない拉致問題を騒々しくわめき立て、
自分たちを『拉致被害国』に化けさせようと破廉恥に策動している」、
「(日本の朝鮮半島統治時代の)朝鮮人強制連行・拉致蛮行は、
歴史に類を見ない特大型犯罪だった。
・・・自分たちの過去を至急清算すべきだ。」

この賠償の金を手に入れること以外の、
拉致被害者解放の為の日朝会談には全く応じようとしない北朝鮮の声明に関して、
日本政府は如何に反応するのか不明である。
何も反応せず、黙っているのだろうか。
では、非核化が議題の米朝首脳会談の次は、
拉致被害者解放の為の日朝首脳会談だとした安倍総理は、
如何に対処する積もりなのか。
呆然としているのか。では、何故、呆然としているのか。
その訳は、歴史認識の欠落と、その結果としての、
現に目の前で起こったことに対する認識の欠落にある。
つまり、目の前で起こったことの力学が見えないのだ。

そこで、その目の前で起こったことに論を進めたい。
金正恩が、自腹の飛行機では来られないので、
国際社会に恥をさらして
中共の習近平様差し回しの飛行機に乗ってシンガポールに来た訳は何か。
それは、トランプ大統領の机の上に
「斬首作戦」があるからだった。
つまり、金正恩は、死ぬのが死ぬより怖い三代目の独裁者なのだ。
この当然のことを知れば、
安倍総理も、
金正恩に拉致被害者を解放させようとすれば、何をすべきか分かるはずだ。
即ち、金正恩が言うことを聞かないのだから、
安倍総理も「斬首作戦」の決意を机の上に置いてから、
北朝鮮に首脳会談を呼びかけるべきなのだ。
トランプ氏は、北朝鮮に
「非核化せよ、しなければ、殺すぞ」
と言った。
だから金正恩はシンガポールに来たのだ。
しかし、安倍氏は、北朝鮮に
「拉致被害者を帰せ、帰さなければ、会談するぞ」
と言っている。
これで、北朝鮮が動くと信じているのならば、
国民の命に関する拉致被害者解放の任務を担うことはできない。
普通の国では、総理大臣失格だ。

国際政治を動かすのは軍事力だ。
もちろん、経済的要因も文化的・文明的要因もある。
しかし、軍事力を保持することの重要性を理解しない政治家は、
偽善者で無責任で、不作為の殺人者だ。
何故なら、力の無い正義は無力であり、
その結果、力で守り得た国民を徒に死なすことになるからだ。
このことが、分からない、また、見れども見えないのが、
「戦後体制」だとするならば、
安倍内閣は、「戦後体制からの脱却」を掲げながら
「戦後体制」のなかに閉じ籠もっていることになる。

平和を目指す国際政治の鉄則は、
古代ローマの格言「平和を望むならば戦いに備えよ」である。
六月十二日の米朝首脳会談は、
この格言の実践の結果だ。
昨年の秋以来、北朝鮮は核実験とミサイルの連続発射によって
東アジアと国際社会を脅迫した。
それに対して、アメリカのトランプ大統領は、
北朝鮮の金正恩の首を斬るという「斬首作戦」を掲げ、
原子力空母打撃群三セットを朝鮮半島沖に遊弋させ、
ステルス戦闘機やB1戦略爆撃機を半島周辺に飛ばせて戦いに備えた。
そして、金正恩が怖くなってシンガポールに来て「北、非核化を約束」となった。
これ、まさに、
「平和を望むならば戦いに備えよ」の実践である。

トランプ大統領の「斬首作戦」については、日米の軍事専門家即ち軍人は、
あまりにも犠牲が大きすぎるので不可であるとの認識を共有していた。
我が国の軍事専門家は、私に、
もし、トランプ大統領が「斬首作戦」を発動しようとしたら、
マティス国防長官や参謀総長が、
後ろから大統領を羽交い締めにしてでも止めさせるだろう。
賭けてもいい、と言った。

私は、しかし、歴史を見れば、
軍人ではない軍事に素人の総統や大統領や首相や主席が、
戦争を決断して戦争が始まっていると思っていた。
軍人同士の判断では、始まるはずがない戦争がなされているのが歴史である。
このことを誰よりも見抜いて、
敵の軍人を使って戦争を抑止しようとした人物がイギリスのチャーチルだ。
彼は、第二次世界大戦を回顧して次のように書いている(チャーチル著「第二次世界大戦」)。

「過去を振り返ってみるとき、
私は、われわれに与えられた時間の長さに驚く。
一九三三年なら、あるいは一九三四年でさえも、
まだイギリスにとっては、ヒトラーの野心に必要な抑止を加えるだけの空軍、
あるいは恐らくドイツ軍部の指導者たちに、
ヒトラーの暴力行為を抑止させることができるだけの空軍を
作ることは可能であったろう。
しかし、われわれが最大の試練に直面するまでには、
さらにまる五年の歳月を経なければならかった。
その時でさえ、理性的な慎重さと健全なエネルギーをもって行動していたならば、
厳しい試練に遭わずにすんだかもしれない。
優勢な空軍力を背景に、
英仏は余裕をもって国際連盟の援助を求めることができたであろうし、
ヨーロッパの各国も両国の背後に集まったであろう。
そして、連盟も初めて権威ある手段を取ることになったであろう。
・・・
(しかし)フランス政府は、
絶え間のない政党政治の幻惑的遊戯の流転の中にあり、
またイギリス政府は、
万事事なかれ主義の、全般的協定という反対の課程をたどることによって、
(フランスと)同じような悪徳に達し、
その結果は、双方とも、
なんら思い切った、あるいは明確な行動にでることができなかったのである。」

このチャーチルの回想の中にある、
抑止できて起こらなくてもよかった戦争を起こしてしまった
「政党政治の幻惑的遊戯の流転の中にあるフランス政府」と
「万事事なかれ主義のイギリス政府」の
「悪徳」こそは、
現在の「我が日本政府の悪徳」である。
従って、安倍総理は、
今からでも遅くはない。
これら、
歴史の前に深く非難すべきものとみなければならない
「国会の幻惑的遊戯と、官僚主義と身内の事なかれ主義の悪徳」
に流されず、
今こそ
「平和の為の戦略」
即ち「拉致被害者解放の為の戦略」と
「朝鮮半島と台湾と海洋の安定の為の戦略」としての
大軍備増強への決断をするべきである。

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