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日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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西村眞悟の時事通信
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安倍政権の歴史的使命と小池百合子という現象

平成29年10月3日(火)

『月刊日本』誌より依頼されて書いた一文を次の通り掲載いたします。
ご一読いただければ幸甚です。

                    記

 本誌(月刊日本)から、安倍政権の五年間の総括と小池百合子の特集をするに当たり、私に小池百合子という人物(以下、敬称を省き、小池、という)について書かれたしとの連絡があった。よって、次の通り書く。
 それは、第一に、現在の我が国を取り巻く内外の厳しい情勢の中で、安倍政権の総括というよりも、安倍政権に与えられた歴史的使命は何かということに重点をおく。そして、この歴史的段階のなかで、小池という存在の意義は何か、を書きたい。
とはいえ、それを小池に関する思想的また政策的な観点から書くのではない。何故なら、小池は、思想とか哲学の世界ではなく、政界という世界に生きているからだ。よって動物生態学的な観点から書く。小池に限らず、我が国の政界の人士は、動物生態学的観点から観察するのが分かり易いからだ。
 まず、九月上旬に、安倍総理が、衆議院解散を決断したとの報道があったときに、私は、この解散は、解散権者の思惑を超えて、我が国の戦後史における歴史的解散になるであろうと自分の通信に書いた。何故なら、朝鮮半島は、明治二十七・八年戦役即ち日清戦争前夜のような火薬庫を抱えた混沌たる状況に向かっているからである。まさに歴史は繰り返している。これは紛れもなく「国難」である。従って、解散総選挙後の安倍総理は、その思惑を超えて否応なくこの「国難」の克服という歴史的使命を与えられる。
 しかし、九月下旬の、安倍総理のニューヨーク国連本部での演説と帰国後の解散表明に接して、解散権者の「思惑を超えて」という当初の評価を「思惑通り」と訂正する。何故なら、安倍総理は、この解散を「国難突破解散」と命名したからである。つまり、安倍総理は、国民から「国難」を乗り切る付託を受けるために解散総選挙に打って出たのだ。まことに、有事の宰相である。あっぱれではないか。
 イギリスの首相チャーチルは、「第二次世界大戦は、起こらなくともよい戦争だった、平和主義者が作った戦争だった」と回顧した。
彼の前任者であったチェンバレン首相は、独裁者(ヒトラー)と宥和すれば平和が維持できると思っていた。それ故、一九三八年九月、ミュンヘンでヒトラーのチェコスロバキアのズデーデン地方割譲要求を受け入れてイギリスに帰り、空港で「私は平和を持ち帰った」と演説した。
しかし、彼が持ち帰ったのは「平和」ではなく「戦争」だった。ヒトラーの野望は、「ミュンヘンの宥和」を引き金として膨張して独ソ不可侵条約締結から一挙に独ソ両軍の東西からのポーランド侵攻に至り、遂に第二次世界大戦が勃発する。
 では、現在の我が国の安倍総理は、どうか。チャーチル的なのかチェンバレン的なのか。彼は、国連本部での演説の重点を北朝鮮に集中させ、北朝鮮には対話よりも圧力が必要であると言い切った。よって、安倍総理は、独裁者に宥和して戦争への道を開いたチェンバレンではなく、明らかにチャーチル的である。
 そもそも、我が国とアメリカは、この二十年間、北朝鮮に宥和して騙され続けて資金とエネルギーを供給し、騙した北朝鮮は、その詐取した資金で核とミサイルを開発してきた。そのお陰で北朝鮮は、とっくの昔に我が国を射程内にいれたミサイルを完成させ、いよいよアメリカ本土に届く核弾頭ミサイルを保持する寸前となっている。それ故、本年初頭に発足したアメリカのトランプ政権は、この事態に愕然としたように、過去二十年間のアメリカの対北朝鮮政策は誤りだったとの認識を表明した。そして、これに呼応して、我が国の安倍総理も、北朝鮮に対する圧力を強調するに至っている。
ここにおいて、日米両首脳は、対北朝鮮姿勢において一致したのである。
 しかし、残る問題は、我が国の政界の構造だ。
即ち、我が国の政界には、北朝鮮の独裁者を喜ばす平和主義者が、同じく北朝鮮の独裁者を喜ばせるマスコミの偏向報道にささえられて、うようよ生息しているからである。この連中が、本年初頭から、国政の重大問題は、森友学園や加計学園問題であるが如くマスコミと共に騒ぎ続け、北朝鮮の核とミサイルという我が国の脅威を無視してきた。この者達の生息場所が、民進党と共産党だ。
 そこで、現時点(十月三日)における小池の最大の功績を記さねばならない。
それは、小池が、民進党を潰したことである。
衆議院の解散とともに行われた小池の新党立ち上げは、民進党を直撃してそれを分裂させて民進党所属議員を一瞬のうちに「難民」にすると同時に、その難民内のチャーチルの言う有害な平和主義者と左翼を炙り出して排除する方向に作用している。
とはいえ、二年前に民進党は、安保法制絶対反対を叫んで国会の内外で反対運動を繰り広げていた。それを主導していた民進党の政調会長がいち早く小池の下に走り寄って、今はかつて共に安保法制反対運動をしていた「同志」を選別している。
 これ、まさに笑止と言わざるを得ない。
そして、この劇はまだまだ続く。よって、この劇の主役である小池のことを伝えることも必要だろう。国家の危機においては、派手な舞台の上よりも、隠れている実像が国家の運命に影響を与えるからだ。
 この九月、小池が「希望の党」と書いた紙を掲げて新党結成の記者会見をしているのを見たとき、同じそっくりな情景を過去三回見たと思った。一回目は平成四年の細川護熙さんとの日本新党、これが小池の新党結成原体験だ。この時細川さんは一挙に総理に駆け上った。二回目は平成六年の新進党そして三回目は平成十年の小沢一郎さんとの自由党だ。違うのは、過去三回は、小池は三名のボスとともに映っていたが、この度は自分がボスで一人で映っていたことだ。
 振り返れば、小池は、ボスの横でテレビに映るのが実にうまかった。これを男がすれば、鼻持ちならんが、小池はすんなりとしゃなりといつの間にかボスの横につく。はじめは、細川さんで次は二人の一郎さんだ。即ち、小沢一郎さんそして小泉純一郎さん。新進党の海部俊樹さんの横に小池がいた記憶がない。印象の薄い御仁の横には小池はいない。
小池の、このボスの横にいるという政治力を見くびってはならない。昔、秀吉の側に、耳糞をとるだけの役目の坊主がいた。この坊主は、居並ぶ群臣の前で秀吉の耳糞をとるとき、唇を動かせて秀吉に何かをひそひそ話をしているような仕草をする。その結果、この坊主宅は各大名からの付け届けであふれたという。
政界とは昔も今もこういう人間世界だ。
そして、小池は、この世界で日本新党以来四半世紀の間、たびたび新党の名を記したプラカードを掲げてボスと共に記者会見に臨んだ末に、この度の「希望の党」では、自らボスとなって、二人の一郎さんを合体させたようなインパクトを発揮させているという訳だ。
 では、この希望の党の「現象」は如何なる「土壌」で起こっているのか。
それは、小池が現れてからの政界をたどれば納得がいく。
中選挙区制から小選挙区制に移行した時期で、以後二十年以上小選挙区で選挙が行われてきた。そして、総選挙を目前にして常に「風」が吹いてきたのである。
この風は、主に新党誕生の風であるが小泉旋風という風もあった。この風に乗れば数日前に立候補を表明した兄ちゃんや女の子も当選する。従って、この風に未発達のイケメン達が群がり、総選挙を経る度に政界は劣化してきた。
衆議院の本会議場で、風で当選した者達の群を見て、キンダーガーデンだと言った人がいたが、小泉チルドレンが出てきたときその人はネバーランドだと言った。
そして、小池は、本年、東京都の「都民ファースト」を唱えた都議会選挙で、都議会にネバーランドを誕生させて、風の手応えを確認した上で、安倍総理の衆議院解散に呼応するかのように国政に「希望の党」のネバーランドを誕生させようとしている。
従って、マスコミなどは、この度の総選挙を政権選択の選挙だと吹聴しているが、とんでもないことだ。ネバーランドに政権を委ねれば国が滅ぶ。このことは、小池もわかっているはずだ。
 とはいえ、この風が議員を生み出すことは確かだ。
それ故、最後に安倍総理に申したい。この総選挙が「国難突破」のための選挙だとするならば、選挙後は、チャーチルが第二次世界大戦に臨んで組閣するに際し、野党労働党の党首であるアトリーを入閣させて挙国一致内閣を創ったことを見習い、左翼を排除した「希望の党」から有能な人士を入閣させて「国難突破内閣」を編成されることを望む。

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