大阪堺市出身!国家の安全保障や国益優先の信念を貫く行動派!

日本のこころを大切にする党 西村眞悟

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露清密約の再現、現在の中露対日連携

平成29年7月13日(木)

先ほどの時事通信で、我が国の深刻な危機は、国内の甘さである、と書いた。
特に、中共とロシアに関して、伝統的に甘い。
我が国内には、
北朝鮮という火病を発症した独裁者をもつ国を、
中共とロシアが、先輩として国際社会のなかに調和し協調するように
あやしなだめてくれると期待して頼っている風潮がある。
しかし、この中露の二国は、そのような日本の期待に応える国ではない。
ともかく、我が国は、
近代化に進み始めた我が国の前に立ちはだかった最大の脅威は、
この二国であった歴史的事実を忘れてはならない。
そして、その脅威は、現在に至るも何ら衰えていないのである。

我が国に大きな惨害をもたらした対米戦争は、
この中国とロシア(ソビエト)の関わり合いのなかで、
コミンテルンと中国によって招き寄せられたものである。
そこで、
この度、「月刊日本」八月号に寄稿した次の原稿を記して、
中露に対する警戒心を喚起したい。 

・・・   ・・・   ・・・   ・・・   ・・・   ・・・   

明治三十八年五月二十七日、
我が国で、対馬の人々だけが、我が国の連合艦隊と帝政ロシアのバルチック艦隊が、
対馬と沖の島の間の海域で激突する空前絶後の海戦を目撃した。
それは、我が国の命運を決定して世界史を創る瞬間である。
 対馬の北に住む人々が古老から聞いたことは、
その時彼らは北対馬の山の上から南東海域を眺め、
被弾したロシアの軍艦が黒煙を上げて燃え上がり沈没して行くのを遙かに遠望して歓呼の声を上げたという。
 そして、その同じ人々が、
翌日の二十八日、沈没したロシア巡洋艦ウラジミル・モノマフからボートで脱出し、
対馬の北の殿崎の丘の下の海岸に漂着した百四十三名のロシア水兵達に、
まず水を与え、彼らを自分たちの家に泊めて介抱したのだ。
 ここに、敵に対する敵愾心だけではなく、
敵味方を超えて苦しむ者を慈しむ、真の日本人の姿がある。
そして現在、漂着したロシア兵達が水を飲んだ泉は今も水を湛え、
その上の道路の山沿いには、
負傷して佐世保の病院に入院している
バルチック艦隊のロジェストウェンスキー司令長官を見舞う
東郷平八郎連合艦隊司令長官と幕僚の巨大なレリーフ像が建っているのである。
地元の武末裕雄さんら有志が一億円の私財を出して、
まさに、ロシア兵漂着の丘に、
我が国の美風である「武士の情け」を象徴する情景を建設したのである。
 明治天皇は、日露戦争に際して、次の御製を詠まれた。
 
 國のためあたなす仇はくだくともいつくしむべき事なわすれそ

対馬の人々は、この殿崎の丘で、まさにこの御製の心を体現したのだ。
従って、この丘は、民族の叙事詩を伝える丘となっている。
 
 確かに百十二年前の日露戦争は、
誇り高い高貴なる明治の叙事詩となった。
しかし、その叙事詩を生み出した厳しい現実が、
百年の時空を経て、我が国の周りで再現されつつあることに眼を向けなければならない。大陸のロシアとシナの本質は、百年前と何ら変わっていない。
そこで、ロシアに焦点を当てて、
東アジアにおいても、その民族の宿痾ともいうべき南下への願望が甦りつつあることに触れたい。
 他方シナ・中共は、触れるまでもなく、
露骨に中華意識をむき出しにして我が国の尖閣を侵略して、
そこを橋頭堡(ミサイル基地と海軍港湾)として台湾と沖縄本島を飲み込み、
その上で、日本列島そのものを支配下に入れようとしていることは目に見えている。
 
ところが実はロシアも、北で公然と同じ事をしているのだ。
既にロシアは、我が国領土である国後と択捉に最新のミサイル基地を建設している。
これ、南の尖閣に、ミサイル基地を狙う中共と同じではないか。
 しかし、我が国は、安倍総理大臣が
プーチン大統領をウラジミルと親しげに呼ぶのに安心して、
プーチンとロシアに対する警戒感を麻痺させている。
 ロシアが、首脳同士の個人的な関係で動くものか。
プーチンの安倍総理への親しげな姿勢は、
情報謀略組織であるソ連国家保安委員会(KGB)の将校であったプーチンの演出である。
 
プーチンは、KGBから「強いソビエト」を目指して政界に入り、
ソビエト崩壊後の二〇〇〇年(平成十二年)の末に、
ソビエト国歌のメロディーを復活させる国歌法を制定した。
そのプーチンの創った「ロシア国歌」は、
「強いソビエト」を継承するもので、その歌詞には、

おお、南の海より極地の果てへと広がりし我が森と草原よ・・・
これ、神に守られた祖国の大地よ!

とある。
では、ロシアから見て、「南の海」とは何処の海か。
それは、ユーラシアの東と西にある海だ。
西は地中海に出るウクライナ領クリミアの海である。
そして、東は朝鮮半島の南に広がる海、
即ちそれは対馬の海、日本を取り巻く海だ。
 
 昨年六月、ロシア海軍と中共海軍は、
南シナ海で合同軍事演習を行っている。
そして、まずロシアの軍艦が我が国の宮古島の領海に侵入し、
中共の軍艦がそれに続いた。
また、昨年度の我が国の航空自衛隊のスクランブル発進回数は、
冷戦時代を遙かに超えて、
対中共軍機には851件、
対ロシア軍機には301件である。
つまり、中共軍機は一日に二回以上、ロシア軍機は一日一回の割合で、
我が国の領空に接近している。
同時に中共は、南シナ海の南沙諸島に、ロシアは、国後・択捉に軍事基地を造った。
これはまるで、中共とロシアが、
南と北から日本を挟撃するために軍事的に連携している状況ではないか。
 
 しかも、この両国は、西方においては、
中共は、チベットとウイグルを軍事力で強権的に制圧し、
ロシアは、世界とウクライナを油断させて一挙にクリミアを軍事力で強奪した。
この中露二国は、
ともに、相手の虚に付け入って軍事力を行使することを躊躇わない。
 
そしてこのプーチンが、昨年末に、澄ました顔をして来日し、
安倍総理の郷里の山口県を訪れて、日露友好を演出し、
北方領土返還の可能性というニンジンをぶら下げて、
日本からの資金を釣り上げたというわけだ。
返還するつもりがあるならミサイル基地など造るものか。
もはや安倍総理は、
プーチンをウラジミルとか呼んでいる場合ではない。
総理は、我が国の国後・択捉にミサイル基地を造るな!
と靴を脱いで、
その靴でプーチンの前の机を叩かねばならない。
 
ここにおいて我々は、現在を知るために、
百年前のロシアの対日戦略を知るべきである。
トルストイは
「監獄に入ったことのない者は、その国がどのような国家か知ってはいない」
と書いた。
 また、帝国陸軍参謀本部次長、そして関東軍参謀長の要職を務め、
戦後十一年間シベリアに抑留された秦彦三郎将軍は、
臨終の近い日に、内村剛介に言った(内村著「ロシア無頼」)。
「私は生涯ロシア・サービスで一貫し、
ソ連に長く駐在し、ソ軍の演習にも参加した。
でも何一つ分かっちゃいなかった。
敗戦後ソ連の収容所暮らしをするまでは・・・」と。
 
我が国のロシア認識は甘すぎる。
この認識の甘さ自体が我が国の危機である。
我々は、
「西洋の衣を着たタタールであるロシア」
の本質を見抜かねばならない。

海将補で元防衛大学校教授の平間洋一氏は、
ロシア海軍軍令部編纂の史料を発掘し、
そこに記されている次のロシアの戦略を紹介している(同氏著、「日露戦争が変えた世界史」芙蓉書房出版)。

「日本に勝利するためには、一・五倍の兵力が必要であり、兵力増強が完了するまで二年間は対日戦争を避けるべきである」、
「極東でロシアが絶対優位権を確立せんと欲するならば、須く日本を撃破し、その艦隊保持権を喪失せしめなければならない」、
さらに、
「対日戦争では朝鮮を占領し、馬山浦を前進基地として日本人を撃破するのみにては不十分で、さらに之を殲滅せざるべからず」。
 
この日露開戦前のロシアの戦略と見通しは、
現在のプーチンの描いているものと一致する。
現在のプーチンが、東の我が国に対してソフトなのは、
西のシリアとクリミア問題で手一杯で、
東への余力がないからだ。
百六十年前のクリミア戦争でくたくたになったロシアが、
東でアラスカをアメリカに売って金をせしめたのと同じく、
現在もプーチンのロシアが、東の日本から資金を調達するつもりなのだろう。
従って、北方領土における日露共同経済開発とは、
ロシアの主権の下で行われる事業に日本が金を出すカラクリに過ぎない。
百十三年前の日露開戦前と違うところは、
現在は中共が力を持っているので、
ロシアも中共を無視できず中露対日連携に向かうということだ。
ここで思い浮かぶのは、
日清戦争の翌年の明治二十九年(一八九六年)に結ばれた
中露の極秘の対日攻守同盟である露清密約である。
この密約は、
ロシアが清の李鴻章に多額の賄賂を手渡し、
その見返りに満州を獲得して結ばれたのだ。
我が国は、この密約を知らず、
九年後に、清がロシアに売った満州から多量の血を流してロシアを駆逐して
清国領に戻したのだ。
つまり、清国は、
自らロシアに売り渡した満州を、
日本に血を流させて取り戻したというわけだ。
いずれにしても我が国は、
この頃言われた次の警句を想起することだ。
 
 ロシア人は約束を破るために約束をする、
 シナ人はそもそも約束は守らねばならないと思っていない。

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